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ユーロ高に挑むECB、口先だけでない介入-緊急購入加速示唆も

更新日時
  • 政策委は行動が必要な場合に備え下準備の開始を決めるかもしれない
  • 政策担当者は自分たちの発言が影響力を持ち得ることを承知している

欧州中央銀行(ECB)の政策担当者は、2年ぶりの高値に上昇したユーロ相場に神経をとがらせており、何らかの介入があるのではないかと投資家やエコノミストは警戒している。

  新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウン(都市封鎖)が3月に始まって以降、ユーロ相場が10%上昇したことで物価に下押し圧力がかかり、ラガルドECB総裁の仕事を難しくした。それは景気回復ペースが鈍る兆候と相まって、追加の金融刺激策を正当化する方向に働く。

  ECBが10日に開く政策委員会で、そうした対応が打ち出されるとは考えにくいが、ラガルド総裁と政策委メンバーは、行動が必要な場合に備え下準備の開始を決めるかもしれない。ECBが取り得る選択肢を幾つか挙げる。

口先介入

  ECBの政策担当者は為替レートを目標にしないと繰り返し述べる一方で、自分たちの発言が影響力を持ち得ることを承知している。ユーロの対ドル相場が先週一時1ユーロ=1.20ドルを上回った後、チーフエコノミストのレーン理事はユーロ・ドルの為替レートが金融政策にとって「重要だ」と述べ市場を驚かせた。

  ユーロの対ドル相場は今週前半は1.18ドルを下回る水準で推移したが、今後3カ月は1.14ドルを割り込むより1.22ドルを上回る可能性が高いとの見通しがブルームバーグのオプション価格モデルで示唆されている。

  バークレイズとゴールドマン・サックス・グループ、JPモルガン・チェースを含む金融のエコノミストらは、10日の政策委後にラガルド総裁がレーン理事に倣う可能性があると考えている。ドラギ前総裁は度々口先介入を行った。

追加緩和の示唆

  ラガルド総裁は、ECBが今後何を行うか示唆することさえ望むかもしれない。アクサのチーフエコノミスト、ジル・モエック氏によれば、為替レートがインフレに与える影響と、新型コロナ危機に対応する「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」(総額1兆3500億ユーロ=約170兆円)の買い入れペース加速の可能性をリンクさせることも考えられる。

  ピクテのストラテジスト、フレデリック・デュクロゼ氏は「ラガルド総裁が今週にも政策オプションとして利下げを持ち出す可能性が高まりつつある」と指摘した。

中銀預金金利下げ

  10日の政策委で中銀預金金利(現行マイナス0.5%)が引き下げられると予測するエコノミストはいないが、短期金融市場は今週、来年9月時点でマイナス0.6%の金利水準を織り込む動きとなった。2カ月前の段階では、早くても2022年になるまで利下げは見込まれていなかった。

  みずほインターナショナルのマルチアセット戦略責任者ピーター・チャットウェル氏は、来年4-6月(第2四半期)までに動きがあると予想。「ユーロ相場はそれまでに1.3ドルを突破しているだろう。輸出競争力の喪失とディスインフレのダイナミクス(力学)が、その時点でそれを正当化することになろう」と分析した。

Euro is close to its strongest level in more than two years

原題:Lagarde Has Euro-Fighting Options From Rhetoric to Rate Cuts(抜粋)

(中銀預金金利の引き下げ時期の予想を追加して更新します)
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