コンテンツにスキップする

ゴールドマン辞め出産、柔軟な働き方追求してビザスク創業

更新日時
  • 個人が売り手になる時代に-スポットコンサルのビザスク端羽CEO
  • 「女性は成功率低く野心足りない」に発奮、恩返ししたいと端羽氏

 

1日を始める前に押さえておきたい世界のニュースを毎朝お届け。ブルームバーグのニュースレターへの登録はこちら。

企業コンサルタント仲介業のビザスクを共同創業したのは、端羽英子最高経営責任者(CEO)が出産を機にゴールドマン・サックスグループを2002年に退職したことがきっかけ。「もっと柔軟な働き方があってもいいのではないか」と考えたからだ。

  ビザスクは13年に創業、専門的な知見を持つ個人を企業に仲介し、1時間単位のスポットコンサルティングを提供している。今年3月には東証マザーズで新規株式公開(IPO)し、4月にはシンガポール拠点を現地法人化、海外展開にも注力し始めた。

ビジネスモデル

  端羽氏が出産したのは23歳。「キャリアの早い段階で子供を産んだので、何があっても働けるような続けられる仕事が欲しかった」と話す。起業しようと調査したり本を読み面白いと思ったのが、まだ日本ではそれほど知られていなかったウーバーやエアビーアンドビーなど個人がビジネスに参加する形態だ。同氏は「個人が売り手になる時代が来た」と振り返る。

relates to ゴールドマン辞め出産、柔軟な働き方追求してビザスク創業

端羽英子CEO

Source: VisasQ Inc.

  ただ、ビジネスモデルがなかなか思いつかず、経験を生かして商品を勧める電子商取引サイトを考え、人づてにECサイトを立ち上げたことがある人に会った。その際に、経験者ならではのダメ出しをされ、「この人にもっと早く出会いたかった。この1時間だったらお金払えるな」と、現在のビジネスモデルを思いついた。

アドバイザー

  ゴールドマン退職後に在籍した投資ファンド、ユニゾン・キャピタルで企業に投資していた端羽氏は、投資をする際の業界調査の難しさや、業界を深く知るための良質な情報が欲しいというニーズは把握していた。一方、自身同様に出産したり夫の転勤に同伴しキャリアが途切れたりした人や、一生懸命働いても定年退職で働けなくなった周りの人を見て、「経験を生かしアドバイザーとして活躍したい人がいる」という確信もあった。

  確信は現実となり、現在では国内外で登録するアドバイザーは約11万人となった。同氏の夢は一生懸命働く人、働いた経験があるのに今はフルタイムの仕事に就いていない人が、みんなビザスクに登録していること。少なくともあと何十万人かはいるはずで、いまは「自分たちの実現できる成長の非常にまだ初期段階」と考えている。

  ヤンマーホールディングスに勤務しながらアドバイザーとして活躍する寺川幸夫氏は「今までの経験や知識を生かして何か社会にアクションできないか」と考えたのがアドバイザー登録のきっかけという。時間の有効活用ができ定年後の生活環境にもマッチしているため、「私の知見が色あせず今後も時代の流れに沿って努力していけるならビザスクを使い続けたい」と話す。

大きな魚

  起業当時、端羽氏はベンチャー・キャピタルから資金調達する際に「女性起業家の成功率は低い。女性は野心が足りない」という言葉を投げかけられた。たしかに女性の起業事例が少なく、成功のロールモデルもDeNAを創業した南場智子氏が目立つ程度。だったら自分がその前例になろうと発奮する力が湧いたという。ビザスクの最初の投資家となったのは女性キャピタリストで、ほかの投資家も女性への偏見を口にしなかった。

  3月10日に公募価格1500円でIPOした同社の株価は10日時点で87%上昇している。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、アドバイスを受けた企業が恩恵を受けているかどうかわからないが「投資家はいま、なんとなくそうじゃないかなと思って買っているんだろう」と指摘。「こういうビジネスモデルは、本当に将来性を見極めるには時間がかかる」とみている。

  シード資金を出資した投資家に端羽氏は、「(投資しなかった投資家に)あの時逃した魚は大きかったと思ってもらえるよう頑張る」と説明してきた。そして「信じてくれた人に恩返ししないといけない」と話す。

(第9段落に市場コメントを追加しました)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE