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「ムーラン」にまた批判、中国市場当て込んだ大作がディズニー悩ます

  • 実写版ムーランは新疆ウイグル自治区で撮影
  • 主演女優が香港警察を支持したとして民主活動家がボイコット促す
Yifei Liu attends the world premiere of Disney's "Mulan" at the Dolby Theatre in Hollywood on March 9.
Yifei Liu attends the world premiere of Disney's "Mulan" at the Dolby Theatre in Hollywood on March 9. Photographer: Frederic J. Brown/AFP
Yifei Liu attends the world premiere of Disney's "Mulan" at the Dolby Theatre in Hollywood on March 9.
Photographer: Frederic J. Brown/AFP

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米ウォルト・ディズニーが2億ドル(約210億円)を投じて製作した中国の民話を題材とする映画「ムーラン」が新たな批判を浴びている。

  1998年に公開されたアニメーション映画の実写版としてリメークされたムーランは中国での11日の劇場公開に先立ち、北米でストリーミング配信が始まった。

  配信開始後に新聞のコラムニストやソーシャルメディアのコメンテーターから出てきた批判は、この映画が中国の新疆ウイグル自治区で撮影され、映画のクレジットで現地政府機関への謝意を示していることは間違いだというものだ。同自治区には中国側が「任意の教育センター」だとする施設があり、最大100万人のウイグル族が入っていた。

  8日にはトム・コットン上院議員(共和、アーカンソー州)もディズニー批判に加わった。「中国の現金に中毒」のディズニーは「香港の抗議行動から南シナ海とチベットにおける中国共産党の違法な領有権主張に至る全て」において同党に従っていると主張した。

  南カリフォルニア大学のスタンレー・ローゼン教授(政治学)は「ディズニーが議会に呼び出されても驚かない」と述べる。

  ただ、ディズニーが実写版ムーランの製作に着手したのは5年余り前。ロンドン大学キングスカレッジのクリス・ベリー教授(映画研究)は「ディズニーが撮影場所に選んだ時の新疆は単にエキゾチックな砂漠の景色が広がり、強制収容所や文化的大量殺戮(さつりく)とは関係なかった」と指摘する。

  ディズニーは今のところコメント要請には応じていない。中国外務省の趙立堅報道官は8日、一部の「反中勢力」が新疆ウイグル自治区での政策を「中傷」していると記者団に語り、同自治区での「再教育収容所」の存在を否定。テロを防ぐため合法的に設立された幾つかの「職業教育訓練センター」があると説明した。

  ムーランを巡っては香港やタイなどの民主活動家がボイコットを促している。主演女優がソーシャルメディアに香港民主派を締め付ける地元警察を支持する投稿を昨年したためだ。ボイコットの呼び掛けはオンライン上では昨年から始まっていた。

ディズニー映画「ムーラン」、民主活動家がボイコット呼び掛け

  ディズニーは4日、最近導入したストリーミングサービス「ディズニー+(プラス)」でムーランの配信を開始。週末の同サービス向けアプリのダウンロードは68%増の89万件となった。新型コロナウイルスの影響で米国内の劇場再開がまだ完全ではない中、ムーランが需要に寄与したもようだ。新型コロナ前から、ムーランは中国で大きくヒットすると期待されていた。

原題:Disney Slammed for ‘Mulan’ Credits Thanking Xinjiang Officials‘Mulan’ Reboot, Once a Sure Thing, Becomes a Headache for Disney(抜粋)

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