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英EUのFTA、10月半ば期限-通商合意なき離脱に備え国内法も

更新日時
  • 「双方がそれを受け入れ、前に進む必要がある」とジョンソン首相
  • 「意図せぬ結果が和平と国内市場を損なうことは許さない」と報道官

ジョンソン英首相は7日、欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)交渉について、EU離脱の中核的原則と見なす部分で妥協を迫られる場合には協議を打ち切る用意があると表明し、EUが10月15、16日に開く首脳会議を交渉妥結の期限に設定した。

  英とEUのFTA交渉は漁業権や国庫補助の問題で折り合わず、何カ月も暗礁に乗り上げた状態が続いている。8日にロンドンで協議が再開されるが、行き詰まりの打開は期待できそうにない。

  ジョンソン首相は声明で、「得られる合意はなお存在する」とした上で、それを得るために英政府は9月に懸命に努力を続けるとしながらも、10月15日までに妥結しなければ英・EU間のFTA締結は見込めず、「われわれ双方がそれを受け入れ、前に進む必要がある」と訴えた。

  一方、離脱交渉の最大の懸案だった北アイルランドの税関と国庫補助を含む分野でEU離脱協定の効力を弱めかねない法案を英政府が準備していることも明らかになった。

  英政府当局者が匿名を条件に明らかにしたところでは、「国内市場法案」はEUとの協議で問題が解決されず、通商合意が成立しない場合に備えて、北アイルランド経由でどの物品がEU域内に入る危険があり、関税の対象になり得るか明確にする権限を政務担当者に与える内容となる。

英、通商合意なき離脱に備え法案準備-北アイルランド経由輸出入巡り

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フォンデアライエン欧州委員長

写真家:Getty Images経由のFrancois Walschaerts / AFP

  当局者によると、北アイルランドから英国の他の地域に入る物品について「輸出略式申告」を免除する権限も政務担当者に与えるという。

  英国側のこうした動きについて、EUの行政執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、EU離脱協定が「国際法の下での義務、将来のパートナーシップの前提条件」であり、離脱協定に盛り込まれた北アイルランドのプロトコル(手続き)は「アイルランド島の平和と安定および単一市場の統一性を守るために不可欠だ」とツイートした。

  アイルランドのコーブニー外相もツイッターで、ジョンソン首相の計画が「賢明さに欠ける」として、反対の意向を示した。

  英紙テレグラフによれば、ジョンソン首相はEU離脱協定が法的に曖昧で、北アイルランドを英国の他の地域から孤立させることになりかねず、こうした矛盾は昨年の合意時点で「予見できなかった」と考えている。このため、連合王国を守るには修正の必要があるとEU首脳らに主張する方針という。

  ジェームズ・スラック英首相報道官は7日の記者団との電話会見で、「責任ある政府として、意図せぬ結果が和平プロセスと英国内市場を損なうことを許すわけにはいかない。曖昧さの除去に向け国内法における北アイルランド・プロトコルの特定の要素を明確にするため、われわれは限定的かつ適切な対応を取る」と説明した。

原題:EU Warns Johnson Over Tampering With Brexit Divorce Deal (1)、U.K.’s Johnson Says Agreement With EU Has to Come by Oct. 15、U.K. Says ‘Fully Committed’ to Implementing Brexit Divorce Deal、U.K.’s Johnson Will Call Brexit Deal ‘Contradictory’: Telegraph(抜粋)

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