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中国、インフラ頼みの景気刺激策復活-地方政府は記録的な特別債発行

  • インフラ事業は着手して資金を投じるまで時間を要する-S&P
  • 適格で黒字が見込める事業を地方政府が見つけることは一段と困難に

中国がインフラ頼みの景気刺激策に戻りつつある。新型コロナウイルス感染拡大による景気低迷から抜け出すため、地方政府は今年、インフラ整備に向けて記録的な借り入れを行う。

  世界的な金融危機後など過去の刺激策において、中国は道路や空港、鉄道に多額の資金を投じ、膨大な債務を抱えた。ここ数年は、借入金返済に十分な収益が見込める事業関連の債券発行で資金を調達することが多かった。

  S&Pグローバル・レーティングのシニアアナリスト、スーザン・チュー氏は、「中央政府は債券発行加速を地方政府に期待し、大きな発行枠を付与した」と指摘しながらも、インフラ事業について「着手して資金を投じるまで時間を要する」と分析。効果が表れるまで数カ月かかるだろうと述べた。

  地方政府は10月末までにインフラ整備目的の「専項債」3兆7500億元(約58兆3500億円)相当を発行する必要があり、7月末までに2兆2700億元が発行された。これは昨年1年間をすでに上回っており、これが民間支出・投資を活性化させると政府は期待している。

Buildings and Roads

China relies on construction driver for stimulus again

Source: Bloomberg analysis based on government data through end of July

  ブルームバーグの分析によると、7月末までに集めた資金のほぼ3割が工業団地と都市建設、インフラに割り当てられ、2割が輸送・物流・エネルギープロジェクトに充てられる。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の香港在勤シニアエコノミスト、王蕊(ベティ・ワン)氏は「適格で黒字が見込めるプロジェクトを地方政府が見つけることは一段と難しくなっている」と分析。「昨年、土地確保や棚戸区(バラック地区)再開発にも資金が使われたのもこれが理由だ」と話した。

  ブルームバーグ・エコノミクスの曲天石エコノミストは「適切な投資プロジェクト不足が投資のハードルになるかもしれないが、中央政府が地方政府による資金活用の裁量を広げた」ことから、地方政府の起債を促すと予想している。

原題:China Returns to Old Construction Playbook to Boost Growth(抜粋)

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