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アート作品でも「ロビンフッド現象」、コロナ禍で高リスク投資人気に

  • マスターワークスは世界的なアーティストの絵画の少数持ち分を提供
  • 美術品や収集品、クラシックカー、競走馬などの分散所有が急成長

世界的なアーティストが手掛けた絵画の少数持ち分をわずか20ドル(約2100円)で購入できるサービスが、新型コロナウイルス感染が拡大する中で人気を集めている。同サービスを提供するニューヨークの新興企業マスターワークスの創業者が明らかにした。

  2017年に同社を立ち上げた収集家のスコット・リン氏は「人々は株式市場が割高だと感じており、別の投資先を探している」と語った。投資家の需要に対応するため、コロナ禍が始まってから15作品を購入したという。

  美術品や収集品、クラシックカーから競走馬に至るまで、高額資産の分散所有は急成長しており、マスターワークスはその最前線にいる。同社は従来なら超富裕層しか手が出せなかったような分野で手頃な投資手段を提供する。

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サンフェリペステークス(G2)で勝利した競走馬オーセンティック(3月3日、カリフォルニア州アルカディア)

  これは株式の一部を少額で購入できるサービスを提供する人気投資アプリ「ロビンフッド」のアート市場版と言えそうだ。各資産のリスクが本質的に高めであり、過去の取引記録も乏しいことを除けば、株式市場で展開している民主化の動きに似ている。競売は損失を被ることも多く、有名なアーティストが手掛けた作品でも、いったん価格が過熱すれば暴落もあり得る。

  分散所有という概念は、アート市場や競走馬では新しいものではない。しかし、そうしたリスクの高い投資の魅力がコロナ禍で高まった。多くの人が損失を被る可能性が高いとしても、何か特別なものを所有するという経験と興奮を求める人が増えている。

  ブルームバーグ・インテリジェンスのシニアアナリスト、デービッド・リッター氏は「人々は在宅を余儀なくされ、退屈している。幸運にも仕事がある人は通常使うようなことにお金を使っていない。だから遊ぶための資金がある」と述べた。

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バンクシーの作品

Source: Masterworks

  マスターワークスのリン氏によると、同社はパンデミックの間に1カ月で約1万人の新規ユーザーを獲得した。そして、そうしたブームは同社に限った話ではない。

  クラシックカー分散所有の取引プラットフォームの開発を目指して昨年創業したアクウィセントも、この3カ月で潜在的な投資家が80%増えたという。創業者のアンソニー・シトラノ最高経営責任者(CEO)は「通常なら99.9%の人が手を出せなかった資産クラスだ。関心が持たれているという点で現在はかなり人気だ」と語った。

  マイレースホースの創業者マイケル・ベーレンス氏によると、同社では4月以降、投資家の数が3倍に膨らんだ。最近ではカリフォルニア州サンタアニタパーク競馬場で開かれたレースを1万2000人余りの投資家がズーム経由で視聴し、特別なTシャツや帽子を身に着けて応援する人もいた。同社は6月、競走馬「オーセンティック」の持ち分12.5%を購入。これに基づくオーセンティックの価値は1500万ドルだった。

原題:
Robinhoods of the Art World Lure Scores of Investors in Pandemic(抜粋)

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