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アップルのアプリ配信問題、日本でも論争-エピック応援の声も

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エピック・ゲームズが米アップルのアプリ配信プラットフォーム「アップストア」での慣習を巡って提訴することを決めたことで巨大な日本のゲーム市場でも論争が巻き起こっており、アップルに対する不満や疑念を再燃させている。

  人気ゲームソフト「フォートナイト」を運営するエピックは、アップルが売上額の30%を手数料として徴収することに不満を示しているが、日本のゲーム開発者の懸念はより広範な分野に広がる。多数の関係者によると、ゲーム開発者は長期にわたり、一貫性のないアップストア審査担当者によるガイドラインの取り扱い方や予測不可能な内容の決定、コミュニケーション不足に対して不満を持っている。

  米国での法的な衝突をきっかけに、日本の公正取引委員会もアップルの慣行に対する関心を高める中、これまで報復を恐れて沈黙を守っていた著名な企業幹部も声を上げ始めた。モバイルオンラインゲームなどを手掛けるグミの国光宏直会長は「心の底からエピックに勝ってもらいたい」とフェイスブックに投稿した。

  アップルとグーグルは中国以外の国でモバイルアプリ市場を複占している。 「iPhone(アイフォーン)」やアンドロイド向けのアプリ配信を望むゲーム開発会社は、アプリストアを通じてゲームを販売することが事実上避けられなくなっており、収益の一部を両社と分配する必要がある。

  スクウェア・エニックス・ホールディングスはグループで売上高の4割をスマホゲームから稼ぎ出す。ソニーは「フェイト・グランドオーダー」のヒットで数十億ドルを得た。

Images Of Sony Mobile Game Maker Aniplex Inc.'s Fate/Grand Order Mobile Game

Fate/Grand Order mobile game.

  約70万2000人のゲーム開発者数を抱える日本はクリエーター大国のひとつ。 アップルの最近の調査では、日本のアップストアの2019年の売上高が370億ドルだったと試算している。内訳は商品関連が240億ドル、デジタル商品関連が110億ドル、アプリ内広告が20億ドルとなっている。

  しかし、承認プロセスがより円滑なグーグルのアンドロイドの「プレイストア」と比較すると、アップルのアップストアは問題がより大きいとゲーム開発者は受け止めている。先が読めないアップルのアプリ審査の承認獲得支援サービスを提供する会社も存在するほどだ。

  同サービスを提供するプライムセオリーの東海林誠氏は、アップルのアプリ審査は多くの場合「曖昧で主観的で理不尽」だと語る。基本的に対応の態度は冷たく、開発者は「下手に出なければいけない。それこそご主人さまにお伺いを立てる召し使いのように」と述べた。

  アップストアの課題に直面した経験を持つゲームコンサルタントの平林久和氏によると、ある開発チームは、アプリ配信前に収益確保の計画に問題がないことを何度かアップルとも確認。しかし販売から数週間後、アップルは立場を一変させアプリから該当機能の削除を一方的に要求し、応じない場合にはアプリ自体の配信を停止すると言われたと話す。

  平林氏は「アップルは時として自分の利益のためにルールを都合よく解釈し、裁定を行う不平等な執行人のようだ」と語った。

原題:
Apple App Store Draws New Scrutiny in Japan, Epicenter of Gaming(抜粋)

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