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ウィズコロナの金融政策のあり方、検討深める-若田部日銀副総裁

更新日時
  • コロナショックへの対応、財政・金融政策の連携が必要不可欠
  • インフレ低下リスクを警戒、物価目標に引き続き強く関与

日本銀行の若田部昌澄副総裁は2日、佐賀県金融経済懇談会でオンライン形式で講演し、新型コロナウイルスの感染拡大による経済ショックに対応するための財政政策と金融政策の連携の重要性を指摘するとともに、ウィズコロナ時代の金融政策の検討を深める必要があるとの考えを示した。

  若田部氏は、コロナショックに対応するため、リーマンショック時の経験と教訓を生かして、「迅速な対応、中央銀行間の協調、政府との協調等を一段と心掛けた」とし、今後も「金融政策のあり方を改善すべく、継続的に議論を深めていく必要がある」との見解を示した。

Bank Of Japan Deputy Governor Nominees Masazumi Wakatabe and Masayosh Amamiya Attend Confirmation Hearing

若田部日銀副総裁

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  具体的には、米連邦準備制度理事会(FRB)が継続的にインフレ率が2%を下回った場合、当面は2%を上回るインフレ率を目指す「平均インフレ率目標」と「埋め合わせ戦略」を採用するなど海外の中銀による金融政策のレビューを挙げるとともに、日銀が2016年9月に行った「総括的な検証」にも言及。

  多くの先進国が低成長・低インフレ・低金利の長期化という、いわゆる「日本化」に直面する中で、「日本銀行でも、海外中銀における議論の状況なども参考にしつつ、ウィズコロナ時代の金融政策のあり方について、検討を深めていくべきだ」と語った。

財政・金融政策の連携

  また、「今回のような経済危機では、財政政策と金融政策が連携・協調するのは必要不可欠だ」と主張。「中央銀行は基本的にお金を供給し、貸し出すことはできても、お金を使うことはできない」といった役割分担を指摘しつつ、「感染症という大きなショックに直面する不確実性の大きい現状で、国民や金融市場に安心感を与えるだけでなく、金融政策と財政政策の相乗的な効果を高めていくことが期待される」と述べた。

  若田部氏は、日本経済について「依然として極めて厳しい状態にある」との認識を示しながらも、「一部に持ち直しの動きもみられる」と指摘。ただ、感染症への警戒感が続く下で「企業や家計の感染防止の取り組みが、経済活動を抑制する力として作用し続ける」と述べ、日本の実質国内総生産(GDP)がコロナ前の19年度の水準に戻るのは、日銀の見通しでは「2022年度ごろになるというのが中心的な見方だ」と語った。

  新型コロナの物価への影響に関しては「短期的には、感染症がもたらす総需要への負のショックが総供給への負のショックを上回る可能性がある」とし、「当面は、インフレ率が低下するリスクに警戒する必要がある」と分析。日銀として「物価安定の目標に、引き続き強く関与していくことが必要だ」との見解を示した。

(詳細を追加して更新しました)
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