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バイトダンス、TikTok米事業で選択肢を再検討-中国政府介入で

  • バイトダンス創業者の張氏、売却交渉を取りやめる可能性も-関係者
  • 米中両政府を満足させる取引至難、交渉完了するにしても米選挙後か

短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」に米国での事業を禁じるトランプ米大統領の大統領令により、ティックトックの親会社である中国のバイトダンス(北京字節跳動科技)が取り得る選択肢は限られたように思われた。200億-300億ドル(約2兆1200億-3兆1800億円)で事業を売却するか、売却取引を結ばずに手ぶらで米国を後にするかだ。

  だが、中国政府が取引の承認に関与すると示唆したことで、バイトダンス創業者の張一鳴氏は選択肢を見直し、中国政府の関与による影響を熟考していると、事情に詳しい関係者が明らかにした。非公表の内容だとして匿名を条件に語った関係者の1人によると、米中両政府と買収相手、投資家、バイトダンス自身に受け入れられるような取引をひねり出すことが依然可能なのかどうか、同社の規制担当チームと売却交渉担当者が議論を重ねている。

Bytedance Ltd. Founder And CEO Zhang Yiming Portraits

バイトダンス創業者の張一鳴氏

  ティックトックの米国事業を巡っては、マイクロソフトオラクルの両陣営が交渉を本格的に進めて買収案を提示する一方、トランプ政権の承認を得られるよう働き掛けも行っている。マイクロソフトは米小売り大手ウォルマートとの共同買収を目指す一方、オラクルはセコイア・キャピタルなどベンチャー投資家の支持を取り付けた。

  だが、最終段階にある売却交渉に中国政府が割って入ったことで、米政府が設定した期限を過ぎても張氏が米国事業を手放さないでいる可能性や、バイトダンスが売却交渉を完全に取りやめる可能性すら浮上した。もともと複雑な交渉に加え、米中両国の政府承認が必要となれば、最終的に合意が結ばれるとしてもどのみち11月の米大統領選後になる公算が大きいと、関係者の1人は語った。

  新興テクノロジー業界を調査するシリコン・ドラゴン・ベンチャーズの創業者で中国テクノロジー業界に関する著作があるレベッカ・ファニン氏は、売却価格よりプライドの方が重視されるかもしれないとの見解を示し、「当初から張氏は世界的な企業をつくることを目指していた。米国市場を抜きにしては、その野心をかなえることができない。張氏は型破りで、極めて独立志向の強い起業家だ。売却しないと決定する可能性もある」と述べた。

  関係者らによると、交渉は流動的で、張氏が売却取引を進める可能性も依然ある。買収候補と条件を交渉しつつ、政府の要求を理由に取引を完了させないことも考えられるという。

原題:
ByteDance Chief Reconsiders TikTok Options After New China Rules(抜粋)

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