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ドル全面安、米金融緩和の長期化観測で-対円では下げ幅限定

更新日時

東京外国為替市場ではドルが主要通貨に対して全面安。米連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長の講演を受けて米金融緩和の長期化観測が広がった。安倍晋三首相の退任後も円安をもたらした経済政策アベノミクスが継承されるとの見方からドル・円相場は下げ幅が限定的だった。

  • ドルは主要16通貨に対して下落
  • ドル・円は午後3時55分現在、前日比0.2%安の105円73銭。106円03銭を午前高値に、一時は105円60銭まで下落
  • ユーロ・ドルは0.4%高の1ユーロ=1.1983ドル。一時1.1997ドルと2018年5月以来の高値。ユーロ・円は0.2%高の1ユーロ=126円70銭
  • オーストラリアドル・ドルは0.3%高の1豪ドル=0.7398ドル。一時0.7414ドルと18年8月以来の高値。同国中銀の金融政策据え置きには反応薄

ドル全面安でドル・円も下落

市場関係者の見方

バークレイズ証券の門田真一郎チーフ為替ストラテジスト

  • 欧州復興基金や米金融緩和の長期化観測を背景とした大きなドル売りの流れが続いている。米欧の経済指標や新型コロナウイルスの感染状況を比較すると、ユーロ・ドル中心に相場はそろそろいいところまで来た感はあるが、モメンタムがついている
  • 安倍首相の後任に誰が就いてもコロナ対策の大規模な財政出動と金融緩和を続けざるを得ないが、最もアベノミクス継続を見込みやすい菅義偉官房長官が有力とされる中、追加的に円を買っていこうという動きは限定的だ
  • 豪ドルは中銀の政策決定には反応薄だったが、全般的なドル安に引っ張られて上昇。どの国も追加緩和の余地は限られ、グローバルなリスクセンチメントに振らされている

あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト

  • クラリダFRB副議長の講演内容がハト派的で、米緩和の長期化が改めて意識され、米金利低下とドル売りが進んでいる。フォワードガイダンスもいずれ変えていく方針とみられ、ドル安基調は長期化しそうだ
  • ドル・円は安倍首相の後任に菅官房長官が有力とされ、アベノミクス継承期待があるため、対ドルでの上げが小幅にとどまっている。日本銀行の黒田東彦総裁も続投なので金融緩和の方針も変わらないだろう
  • ただ、年内の解散総選挙の確率が5割あるとみられ、そうなると政局不透明感から円高リスクが高まる可能性には注意

三井住友銀行NYトレーディンググループの下村剛グループ長

  • 全体的なドル安基調はもうしばらく続きそうだ。ただ、だいぶ下げてきているので、米金利の上昇などに伴う調整リスクには注意が必要
  • 月初の米指標が良い内容で米金利が上がらなければ、景気回復期待からのリスクオンでドル安方向。ISM製造業景況指数は50の節目をしっかり超える水準になるか注目

背景

  • 自民総裁選、菅官房長官が優位な情勢
    • 岸田文雄政調会長が正式に出馬を表明、石破茂元幹事長も出馬の意向
    • 両院議員総会での選出を決定-鈴木俊一総務会長
  • クラリダFRB副議長、将来のYCCに含み-経済予測を「微調整」も
  • 米10年物国債利回りは8月31日に一時0.7%割れ。1日の時間外取引でも0.71%前後にとどまる
  • 豪中銀、政策金利と利回り目標据え置き-市中銀行への供給拡大
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