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日銀は現在の金融緩和政策を継続、安倍首相退陣でも-関係者

更新日時
  • 当面はコロナ対応に注力、物価目標に依然として距離
  • 将来の正常化に向けた地ならし進む可能性-野村総研の木内氏
安倍首相

安倍首相

Photographer: Franck Robichon/EPA
安倍首相
Photographer: Franck Robichon/EPA

安倍晋三首相が28日に退陣を表明したが、日本銀行は新型コロナウイルス感染症の影響に対応する企業などの資金繰り支援や、経済・物価の安定に向けた現在の金融緩和政策を継続する。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  関係者によると、新型コロナウイルスの感染拡大が世界・日本経済に大きな影響を及ぼしている下で、当面は企業などに対する資金繰り支援や金融市場の安定に注力する。また、2%の物価安定目標の実現に依然として距離がある中、積極的な金融緩和政策を継続する必要があるという。

  市場では、安倍首相の退陣が黒田東彦総裁の去就に影響を与えるのではないかとの観測も出ているが、関係者は総裁が2023年4月までの任期を全うするだろうとしている。

  JPモルガン証券の鵜飼博史チーフエコノミストは、安倍首相の退陣によって日銀の金融政策運営が直ちに変わることはないとした上で、「金融政策が違う方向に行ったらより良くなるというのが見えているわけではない。むしろ今経済は大変な状況から抜け出し始めているのでそれを軌道に乗せることが大事だ」と指摘した。

  もっとも、金融政策運営は第一の矢としてアベノミクスをけん引してきただけに、首相交代が中長期的に金融政策運営に微妙な影響を与える可能性がある。

  元日銀審議委員の木内登英野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストは、既に日銀は国債買い入れの減額など事実上の正常化を進めているとし、「安倍政権の退陣とともに日銀が金融政策の正常化を明示的に一気に進めることにはならないが、将来の正常化に向けた地ならしは進むのではないか」とみている。

  元日銀理事の門間一夫みずほ総合研究所エグゼクティブエコノミストは、17日のブルームバーグとのインタビューで、正常化の道筋をつけるためには「物価2%目標のあり方、長期的な低金利継続とETF(上場投資信託)などで市場介入を強めてきたことの副作用を総括し直す必要がある」とし、再検証は黒田総裁の任期満了後に新体制で行われる可能性があると指摘していた。

(第4段落以降にエコノミストのコメントを追加して更新しました)
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