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FRBが狙うインフレ押し上げ、早くも懐疑的見方が台頭

米連邦準備制度は27日、従来よりもハイペースの景気拡大を容認し、インフレ率の押し上げを目指す新たな方針を打ち出した。しかし、物価を抑制している要因は複数あり、新方針の発表に比べ、その実行は容易ではないと考えられる。

  ジェフリーズのチーフエコノミスト、アニータ・マーコウスカ氏は顧客向けリポートで、「連邦準備制度は新たな目標をどのように達成する計画であるか、非常に明確に示す必要がある。そうしなければ、全く意味のない机上の空論にすぎない」と指摘した。

  連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は27日の講演で金融政策設定の新たなアプローチの概要を明らかにした。具体的には、インフレ率が2%目標を下回る期間が続いた場合、その穴埋めに2%を上回る物価上昇を一定期間容認することもあり、失業率についても従来認めていたより低い水準に低下することも受け入れるケースもある。

Fed has missed its 2% inflation objective since 2012

  今回の動きは、2%のインフレ目標を断固として達成するため、連邦準備制度が今後何年も金利をゼロ近辺に据え置く公算が大きいとの確証を投資家に与える形となった。生産性の伸び悩みやグローバル化、高齢化、技術革新といった主要国が直面する要因によって、2012年の同目標導入以降の米国のインフレ率は平均1.4%にとどまっている。

  米金融当局者は9月15、16両日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、大恐慌以来最悪の落ち込みから米経済を救い出すための政策策定を新たな戦略がどのように方向付けるのか詳しく説明する機会を持つことになる。

  ドイツ銀行のエコノミストは、米金融当局者が将来の利上げをインフレ率や失業率の一定の目安達成と関連付けることで、金利の道筋を巡る指針を明確化する可能性があるとの見方を示した。7月28、29両日のFOMC議事要旨によれば、当局者はこのような手法について話し合っていた。

  ただ、特に新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響で世界の大部分がリセッション(景気後退)に陥ったことを踏まえ、多くの識者は連邦準備制度がインフレ率を押し上げることができるか懐疑的だ。コロナ禍によって需要は圧迫されて米失業率は10%を上回り、いずれの要因も物価にはさらなる重しとなる。

原題:Fed’s Jackson Hole Reboot to Lift Inflation Faces Skepticism(抜粋)

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