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アジア国際金融拠点実現に意欲、東京に「こだわらない」-菅官房長官

  • 訪日外国人「2030年6000万人」目標へ、観光業支援を継続
  • 東京五輪の来年開催、「何としても成功裏に終えたい」

菅義偉官房長官は、中国からの統制が強まっている香港に代わるアジアの国際金融拠点の日本国内での形成を「実現したい」と意欲を示した。日本のどの都市にその機能を持たせるかについては「特別に決めているわけではない」と述べ、東京には「こだわらない」とした。

  菅氏は27日のブルームバーグとのインタビューで、外資系金融機関などを誘致し、国際金融センターとしての地位を確立させたいという思いには、「強いものがある」と力を込めた。

Japan Chief Cabinet Secretary Yoshihide Suga Interview

菅義偉官房長官

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  産経新聞などは、政府が大阪を中心とする関西圏と福岡県を候補地に挙げ、外資系金融機関の誘致強化に乗り出す方針を固めたと報じている。政府はこれまで、東京を国際金融都市とすることを目指していたが、災害発生リスクや新型コロナウイルス収束後の地域分散型社会を見据え、戦略を転換。9月末に締め切る2021年度予算の概算要求に関連事業を盛り込むという。

  国際金融都市の実現については、今年の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)」に、「世界・アジアの国際金融ハブとしての国際金融都市の確立を目指す」と明記。自民党内でも、税制やビザなどこれまで海外人材の受け入れを阻んできた問題点を洗い出す作業を進めており、年内に提言をまとめる動きが出ている。

訪日外国人

  菅氏が旗振り役を務めてきた外国人観光客の誘致政策は、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大で大きな打撃を受けている。2019年の訪日外国人客数は過去最多の3188万人に達したものの、今年7月は前年同月比99.9%減の3800人だった。本来は東京五輪・パラリンピックの開催にあわせ、多くの観客が日本を訪れるはずが、ほぼ全ての国・地域からの訪日客がゼロに近い数字となった。

  政府が掲げる30年に訪日外国人を6000万人にする計画については堅持する方針。菅氏は「目標に向かって進めていきたい」と述べ、必要な対策を講じる考えを示した。

  具体的にはコロナ禍でも「ホテルや旅館を絶対に倒産させるようなことはしない」と述べ、雇用調整助成金制度を通じて従業員の雇用を守るなどの支援を続ける考えを示した。7月に開始した観光支援事業「Go Toトラベル」については3密(密閉、密集、密接)の回避など感染防止対策を講じている宿泊施設の支援策として「十分注意しながらやっていきたい」と語った。

  いったんホテルや旅館がなくなってしまうと、再び設置するのは困難であり、「国の支援で引き続いてコロナが終わるまでしっかり支えていきたい」とした。

  来年に延期された東京五輪については、「政権が発足し安倍首相を中心とする国と東京都、ある意味では国民を挙げて誘致に成功した」として、「何としても成功裏に終えたい」と開催への強い意欲を示した。新型コロナのワクチンや治療薬が「日本だけでなく世界に行きわたらないといけない」との認識を示した上で、「今、いろいろなことを考えながら開催にこぎつけたいと思っている」と説明した。

  菅氏は27日午前の記者会見でも、東京五輪の新型コロナウイルス対策に関して、9月以降、政府と東京都、組織委員会の3者による新たな会議を設置し、協議を始める方針を示した。共同通信によると、9月4日にも初会合を開く方向で調整している。

IRは「できるだけ早く実現」

  政府が、2020年代半ば以降の開業に向けた動きを進めてきたカジノを含む統合型リゾート施設(IR)も、新型コロナウイルスの感染拡大で、誘致を目指す自治体の手続きに遅れが出るなど、影響が出ている。大阪市の松井一郎市長は6月の記者会見で、26年度末としていた全面開業時期が1 、2年遅れる可能性があるとの認識を示した。

  菅氏は、観光立国を目指す上では、日本型IRの設置は「不可欠だ」と言及。自治体の準備作業への影響を確認した上で、「丁寧に進めていきたい」とした。参入を目指すIR事業者の状況も見ながら、「できるだけ早く実現できれば」と述べた。 

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