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北朝鮮が発する難解なシグナル-金正恩氏に何が起きているのか

  • 健康不安説がくすぶる中、専門家は金氏の動静に神経をとがらせる
  • 11月の米大統領選まで機が熟するのを待っているとの見方も

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長に何が起こっているのか。健康不安説や新型コロナウイルス感染を懸念して公の場に姿を見せていないとの観測などの他に、11月の米大統領選まで好機を待っているのではないかとの見方もある。

  さまざまな臆測浮上の背景には、過去数カ月間に北朝鮮を巡って複数の情報が交錯したことがある。その中には、まだ確認されていないものの根強くくすぶる金氏の病気説もある。

  こうした状況は、世界が北朝鮮の実態についてほとんど何も把握できていないことを浮き彫りにするものだ。多くの北朝鮮専門家でさえ、金氏の動静をどう解釈すべきか頭を悩ませている。

North Korea Party Meeting

党中央委員会総会で話す金正恩氏(8月19日)

出典:AP写真経由による韓国中央通信社/韓国通信社

  ランド研究所で朝鮮半島問題を専門とする政策アナリストのスー・キム氏は「北朝鮮指導部についてのわれわれの思い込みをチェックする必要がある」と指摘。米中央情報局(CIA)で勤務した経験もある同氏は「われわれは自分たちの予想や習慣的知識を北朝鮮体制の現状にも無理に当てはめようとしているのかもしれない。もしこれらの思い込みが間違っていれば、体制について不完全で誤った結論を導くリスクがある」と述べた。

Kim Jong Un’s Bleak Economic Assessment Hints at Growing Crisis

金日成氏と金正日氏の肖像画の前を通る人々(平壌、8月19日)

撮影:Kim Won Jin / AFP via Getty Images

北朝鮮に女性指導者は誕生するか-血筋と経歴で際立つ与正氏

  北朝鮮が発するシグナルを読み取ることの難しさは、先週の韓国議員の発言とその後の釈明でも浮き彫りとなった。韓国国会の情報委員会メンバーである河泰慶(ハ・テギョン)議員は国家情報院からの説明を受けたとして、金氏が「ストレス」を軽減するため妹の与正氏に一部の権限を委譲したと述べた。しかし同議員は直後に再度会見を開き、自身の発言については情報機関による解釈を共有しているだけだとの釈明に追われた。

Return of Rocket Man

Missile tests under Kim Jong Un

Sources: South Korea Ministry of Defense and Center for Nonproliferation Studies

北朝鮮の金正恩委員長、25日の会合に出席-公衆衛生危機への対応協議

  カーネギー国際平和基金のシニアフェロー、アンキット・パンダ氏は「金正恩氏が長期にわたり姿を見せないことは、同氏のこれまでの公的な活動に照らすと異例だ」と指摘。「これが彼の健康に関する極めて根拠薄弱なうわさにつながっているのは明らかだ」とした上で、「しかし、われわれの多くがそうであるように、前例のないパンデミック(世界的大流行)の最中に指導者が予防的措置を取っているだけに見える」と述べた。

  北朝鮮で何が起きているかは、朝鮮労働党が創建75周年を迎える10月10日の前後には今より詳しい情報が伝わる可能性がある。

Worst Since 1997

North Korea's economy may shrink the most since mid-1990's crisis

Source: Fitch Solutions for 2019 and 2020 estimates, Bank of Korea for rest

原題:
Kim Jong Un’s Regime Baffles World With Contradictory Signals(抜粋)

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