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メルケル首相はプーチン大統領に憤慨、毒物使用疑惑の対応で

  • メルケル氏は緊急に完全な調査要求も、ロシア側は取り合わず
  • ロシア絡みの問題相次ぎ、ドイツ政府内部では不満が鬱積

ロシアの野党勢力指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏は、ドイツの首相府から数分しか離れていないベルリンの病院で意識不明の状態が続いている。この状況にメルケル独首相はロシアのプーチン大統領に対してどのような手を打つべきか、思案に暮れている。

  政権内部の話であることから匿名で語った関係者2人によると、プーチン氏がこの件で強硬姿勢を全く崩さないことにメルケル氏はいら立ちを募らせている。

  

Russian Anti-corruption Campaigner Alexei Navalny Receives Treatment at Berlin’s Charite Hospital

ナワリヌイ氏入院先の病院前に並ぶ警察車両(24日、ベルリン)

撮影:Krisztian Bocsi / Bloomberg

  メルケル氏は慎重に言葉を選ぶ傾向があるが、ロシアに対する口調は厳しさを増している。ナワリヌイ氏に毒物が使用された公算が大きいとベルリンの医師団が判断してから2時間もたたずに、メルケル氏はプーチン氏に「緊急に完全な調査」を行い、関与した人物を特定するよう要求した。

  関係者によると、メルケル氏の迅速な反応は事態を重大視しているとのメッセージをロシア側に送る意図があった。昨年夏にベルリンの公園で白昼に発生した殺人事件やドイツ下院に対する2015年のサイバー攻撃などにもロシアが関与しているとみられ、ドイツではロシアに対する不満が鬱積(うっせき)していた。

Germany's Chancellor Angela Merkel Meets Russia's President Vladimir Putin

メルケル独首相とロシアのプーチン大統領(2018年)

  だが、トランプ米大統領が再選活動に忙しく、長期に及んだメルケル政権も来年で終わりを迎える中で、プーチン氏は報復を恐れることなく大胆な行動が取れると感じている様子だ。

  ロシア大統領府のペスコフ報道官は26日、メルケル氏の調査要求に依然取り合わず、ナワリヌイ氏が毒物を盛られたと断定するのは「拙速」だと主張。毒物の特定もされない中で、毒物使用説を真剣に議論することはないとの認識を示した。今回の事件で西側との関係が悪化する「理由は全くない」とし、プーチン氏に対するメルケル氏の不満に関する質問には、ロシア政府はドイツの公式発表に依拠していると回答した。

原題:
Angela Merkel Is Exasperated by Putin as Navalny Lies in a Coma(抜粋)

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