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シティ9億ドル誤送金、複雑なソフト移行も背景か-在宅で混乱増幅も

  • シティは誤送金したシステムの段階的な切り替え作業を進めていた
  • 手動操作した人間に最終責任があり、リモート勤務は関係ないと認定

米銀シティグループは大手銀では特異なケースだが、ローン返済管理のために開発した分かりにくいソフトウエアに長年依存してきた。それを切り替えようとした矢先、恐ろしく悪い方向に事態が展開した。

  米化粧品メーカー、レブロン向け融資に関係する利払いなどの事務を代行していたシティは、ヘッジファンド運営会社数社に9億ドル(約958億円)を誤送金した。行員の人的ミスが原因だと主張するシティは返還を求めて提訴したが、裁判の過程でソフトウエアを巡る状況が明らかになってきた。

シティ、9億ドルの誤送金は人的ミスが原因-一部は依然返金応じず

  事情に詳しい複数の関係者によれば、1990年代にさかのぼる複雑で難解なテクノロジーが問題の背景にある。業界標準のソフトへの入れ替えが昨年決まった後、移行プロセスが継続中であり、在宅勤務の下で混乱に拍車が掛かった。

  非公開情報を理由に関係者1人が匿名を条件に語ったところでは、シティの内部調査は、古いソフトを手動で操作した人間に最終的に責任があり、離れた場所からのリモート勤務は関係なかったと認定した。だが、それほど複雑なソフトの移行に着手するタイミングとして、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下の今は少なくとも間が悪い。

  コンサルティング会社シア・パートナーズのマネジャー、マーク・ビクトリー氏は「あるプロバイダーから別の業者に切り替えたいと考えれば、それは非常に大きなプロジェクトだ。プロバイダーの変更は極めて厄介で困難な仕事だ」と指摘する。

  レブロンが債務を一部買い戻した後、シティの行員は今月予定する利払いに備え、残る貸し手が保有するローン債権のシェアを手作業で調整することになっていた。ところが、この行員は正しいシステムオプションを選択せず、金利と融資の全額返済を誤って承認し、ミスを察知するはずの同僚も気付かなかった。

  金融機関に貸し付けに関する技術や業務について助言を行うザ・レンディング・プラクティスのポール・スピテリ最高経営責任者(CEO)はシティのミスについて、「彼らが進めているソフト移行が不可欠であることをあらためて思い起こさせる」と述べた。

原題:Citi’s $900 Million Misfire Happened in Midst of Software Switch(抜粋)

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