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住宅ローン支払い猶予、銀行に予期せぬ利益-ジニーメイ保証MBS

  • 実勢を下回る価格でローン債権を数百億ドル相当購入するチャンス
  • 銀行が額面価格で買い取ればMBS保有者に直ちに評価損が発生する

新型コロナウイルス感染拡大に伴う米国の住宅ローン市場の混乱から多額の利益を稼ぐ方法に銀行や金融機関は気付いた。しかし、債券投資家はその過程でやけどを負う危険がある。

  感染拡大で打撃を受けた住宅保有者を対象に最長1年のローン支払い猶予を認める対策が3月に議会を通過。金融機関への恩恵は、その予期せぬ副作用であり、難解な住宅ローン担保証券(MBS)規制の副産物という側面もある。

  金融機関はMBSの原資産の住宅ローン債権について、実勢を下回る価格で数百億ドル相当購入するチャンスを最終的に得ることになるが、その取引の結果、投資家は損害を被る可能性がある。

  連邦政府抵当金庫(ジニーメイ)の総裁を務めたミルケン研究所の上級研究員セオドア・トーザ氏は「銀行は思いがけない莫大(ばくだい)な利益を自らお膳立てしている」と指摘する。

  米住宅都市開発省の下で政府の全額出資で設立されたジニーメイは、連邦住宅局(FHA)や退役軍人省、他の政府機関の公的保険・保証付き住宅ローンを裏付けとするMBSの元利金の支払いを保証している。

ジニーメイの規則

  ジニーメイの規則の下では、借り手が90日間支払いを行っていないMBSのローン債権は、銀行や金融機関が額面価格で購入できる。投資家による評価は、大半のケースで額面価格を5-10%上回っており、買い取りはMBS保有者にとって直ちに評価損の発生を意味し、金融機関は転売できれば利益が得られる。

  メタキャピタル・マネジメントのリサーチ責任者ディビヤ・クリシュナ氏によれば、ウェルズ・ファーゴは7月と8月にジニーメイが保証するMBSのローン債権190億ドル(約2兆円)相当を実勢を15億ドル下回る価格で買い取った。

  USバンコープも 50億ドル相当の債権を市場価格より3億8000万ドル安く購入した。他の金融機関の買い入れ額はもっと少ないが、何カ月も支払いを履行しない借り手が増える中で、ローン債権買い取りのチャンスが今後数カ月で拡大すると債券投資家の一部は予想している。

原題:Banks Poised for Mortgage Bond Windfall That May Burn Investors(抜粋)

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