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トランプ大統領らが示した血漿療法巡るデータの解釈は誤り-専門家

  • 血漿療法で致死率が35%減少すると証明されているとトランプ氏
  • 血漿の投与が多い方が少ない場合より有効だと示しただけとの見方
President Donald Trump, Alex Azar and Stephen Hahn on Aug. 23.

President Donald Trump, Alex Azar and Stephen Hahn on Aug. 23.

Photographer: Stefani Reynolds/Bloomberg
President Donald Trump, Alex Azar and Stephen Hahn on Aug. 23.
Photographer: Stefani Reynolds/Bloomberg

トランプ米大統領と保健当局トップ2人は23日、新型コロナウイルスの血漿(けっしょう)療法の有効性を強調した。

  トランプ大統領は23日の記者会見で同療法について、「致死率が35%低下することが証明されている。素晴らしい数字だ」と述べた。アザー厚生長官とハーン食品医薬品局(FDA)長官も同様の発言を行った。

  ハーン長官は、「このデータが引き続き有効なら、血漿の投与により新型コロナ感染者100人のうち35人が救われていたことを意味する」と語った。

  しかしこのデータの基となった研究を行った専門家は異なる見解を示している。同研究を率いた専門家の1人であるジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院の分子微生物学・免疫学科長、アルトゥロ・カサデバル氏は、「私だったらこのような言葉遣いはしていなかった」と指摘。「彼らが明確に説明することを望む」と語った。

  このデータが示しているのは、血漿の投与が多い患者と少ない患者との比較で投与が多い方が有効だということだ。プラセボ(偽薬)対照試験で実際の有効性が検証される有望な兆候はあるものの、どうなるのかは不明だ。

  カサデバル氏は、「ランダム化比較試験を行うまで、はっきりと分からない」と述べた。ランダム化比較試験とは、治験においてデータの偏りを軽減するため、被験者を無作為に治験薬群と比較対照群に割り振って実施・評価する試験。

  35%のデータには他にも致命的な欠陥がある。この研究の対象者は全員が血漿を投与されており、投与されない患者と比較した場合どうなるかは不明だ。さらに、患者の病状の深刻度が異なる場合や、いつ治療を行ったかなどで結果が変わる可能性もある。

原題:FDA, Trump Officials Misrepresent Key Data on Covid Therapy (1)(抜粋)

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