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全国的には感染は「ピークに達した」と考えられる-コロナ分科会

更新日時
  • お盆期間の移動考慮すると、感染再拡大の可能性も-分科会
  • ワクチンは高齢者や医療従事者に優先接種を-尾身分科会長

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は21日、今回の感染拡大が全国的に見れば「ピークに達した」と考えられるとの認識を示した。ただ、お盆期間中の人の移動を考慮すると、感染再拡大もあり得ると注意も呼び掛けた。

  分科会メンバーの脇田隆字・国立感染症研究所長は記者会見で、都道府県による自粛要請への協力などもあり、全国の発症日別のエピカーブ(流行曲線)や一人の人が何人に感染させるかを示す実効再生産数を見ると、「全国的に見れば今回の感染拡大はピークに達したものと考えられている」と語った。

  分科会の説明によると、現在の傾向が維持されると考えると、7月下旬が感染のピークと位置付けられる。ただ、再拡大の可能性もあり、本当にピークであるかは、慎重に見る必要があるという。

  東京都に関しては、今後もある程度の新規感染者数は報告されることが予測され、大きな流行が起きれば、増加に転じる可能性もあるとした。

  21日の分科会では、現在の感染状況とワクチン接種の優先順位について議論した。会の冒頭、西村康稔経済再生担当相は感染状況について、中高年層への感染が拡大し、重症者も徐々に増加傾向を示していると指摘。「一部の自治体では依然として高いレベルでの新規感染数が続いている」ことから、「引き続き高い緊張感を持って状況を注視している」と語った。 

  海外で臨床試験が進んでいるワクチンの優先接種のあり方については、尾身茂会長が分科会終了後の記者会見で、高齢者や基礎疾患ある人、医療従事者にワクチンを優先接種すべきだとの考えを示した。

  ワクチンについて尾身氏は、「安全性および有効性の両面で理想的なワクチンが開発される保証はない」とも指摘。一般的に呼吸器ウイルス感染症のワクチンでは、十分な感染予防効果があるものが実用化された例はなく、発症予防効果や感染予防効果は、「今後の評価を待つ必要がある」との見解を示した。

  政府は、英アストラゼネカや米ファイザーと、ワクチンが開発された場合に、供給を受けることで合意している。アストラゼネカとは、来年3月までに3000万回分の供給を受けることで基本合意した。

  分科会終了後の記者会見で西村再生相は、全国的な感染がピークかどうかについては、「さらに専門家に分析してほしい」との認識を示した。ワクチン接種に関しては、政府として秋には一定の方向性を取りまとめると述べた。

都内の新たな感染者258人

  東京都では21日、新たに258人の感染を確認した。都内で治療中の重症者は33人で、前日と比べ3人減少した。

  都内の新規感染者数は、お盆休み期間に入って前週よりも低い水準だったが、14、15日は300人を超えた。16日は260人、17日は200人を下回ったが、18日は207人で再び200人超となった。19日は186人だった。20日は339人と5日ぶりに300人を上回った。

  小池百合子都知事は21日の記者会見で、都内の感染状況について、新規感染者数が「依然として高止まりしている」と述べ、重症化リスクの高い高齢者への感染拡大に警戒感を示した。都民に対しては、医療機関の負担軽減のため、感染防止策と同時に熱中症対策を行うよう呼び掛けた。

21日は新たに258人の感染確認

都内の新規感染者数の推移

出所:東京都

  政府は、24日にも分科会を開催し、イベントやプロスポーツの入場制限を、9月以降は緩和するかどうかを議論することにしている。入場制限については、現在は定員の50%か5000人の少ない方を上限としており、当初は8月1日に緩和する予定だったが、7月末に専門家から当面継続すべきだとの意見があり先送りとなっていた。

(第9段落に西村再生相のコメントを追加して更新しました)
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