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強気の米株市場、急な変調に備えよ-複数の著名投資家が警鐘

  • 「ファンダメンタルズと市場に大きな隔たり」と指摘する声も
  • 11月の大統領・議会選挙、対中関係の悪化など懸案事項は山積

大手機関投資家の一部は、他の市場参加者の誰もが混乱しているのと同じパラドックスに悩まされている。つまり、世界には依然として問題が山積しているように見えるのに、米国株は史上最高値近くで推移しているという状況だ。

  大手ヘッジファンドや投資信託のファンドマネジャーらは、複数の迫りくる脅威によって、米株の歴史的な上昇に急ブレーキがかかる可能性があるとみている。そうしたリスク要因には、学校再開を巡る不透明感、11月の大統領・議会選挙、対中関係の悪化、金融政策のインフレへの影響などがある。

  S&P500種株価指数が3月の安値から50%余り上昇する一方、米失業率は依然として2桁台で高止まりし、連邦政府は新型コロナウイルスの封じ込めに苦戦している。S&P500種のPER(株価収益率)は過去10年の平均が18倍だが、最近では26倍にまで上昇している。

  イリノイ州教職員退職年金基金の投資オフィサー、ブライアン・ペイン氏は「ファンダメンタルズと各市場の間には大きな隔たりがある」と指摘。11月選挙での「民主党圧勝」の見方が強まれば、「強気センチメントが弱気に変わる転換点になるかもしれない」と述べた。

  多くの投資家は米株高の継続に懐疑的な見方を示しながらも、それがプロのマネジャーたちの行動と一致しているとは限らない。今年は特に急速な株価回復により、乗り遅れリスクが顕著だったからだ。

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著名投資家からの警鐘

  それでも、複数の著名投資家は警鐘を鳴らす。

  英ヘッジファンド、ブレバン・ハワード・アセット・マネジメントは今月の顧客向けリポートで、子供が在宅学習となることで働く親たちは労働時間の短縮や、離職さえ余儀なくされる可能性があると指摘。その影響は「中小規模のリセッション(景気後退)と同じぐらい労働市場を混乱させる」恐れがあると警告した。

  今年のS&P500種の上昇は主に、アップルマイクロソフトアマゾン・ドット・コムなど巨大テクノロジー企業がけん引してきた。アップルの時価総額は19日、米企業で初めて2兆ドル(約211兆円)を突破した。

  しかし、中国との貿易摩擦や反トラスト法(独占禁止法)を巡る調査のほか、11月の選挙で民主党が政権を奪還すれば規制が強化される可能性があり、これら要因がテクノロジー銘柄の急落につながる可能性がある。  

  グラティキュール・アセット・マネジメントは今月の投資家向け書簡で、米政権による「微信(ウィーチャット)」締め付けは、アップルやテスラに対する中国からの報復につながる恐れがあると指摘した。

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  また、ブラックロックで「グローバル・アロケーション・ファンド」の運用を手掛けるラス・ケステリッチ氏は「世界のテクノロジー産業が二極化するという長期的なリスクがある」と指摘。「規制制度のいかなる変更もテクノロジー企業に確実に影響を与え得るだろう」と述べた。

原題:Money Managers Bracing for Upheaval With Stocks Near Record(抜粋)

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