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ウォール街が株式戦略を見直し、米ドルに下押し圧力で

  • ドル安の度合いや期間を見極めることが投資家の課題
  • 中南米など新興国株に恩恵も-日本株は出遅れか

6カ月前なら為替レートは世界の投資家の株式選別プロセスにあまり重要ではなかっただろうが、ここにきて、ドルが存在に関わる脅威に直面しているとの警戒感も一部で浮上する中、為替相場が注目を浴びている。

  ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループのデータによると、米国外企業の売上高の40%余りはドル相場の影響を受ける。このため、ドル安がさまざまな株式市場への投資をどう変えるかを誰もが見極めようとしている。新興国株が恩恵を受けるとみる向きもあれば、米国の投資価値を指摘する人もいる一方、ドル安が進行すれば日本株は出遅れるとの見方もある。

  K2アセット・マネジメントの調査責任者ジョージ・ブーバラス氏は、「史上最速のリスク資産急落の後に続く最も急ピッチな反発は、為替市場に関連した異例のボラティリティーを浮き彫りにした。これらがヘッジや株式投資にどのように影響するかを検討する必要があろう」と指摘。 「為替リスクをもっと認識しなければならない」と付け加えた。

U.S. currency's decade long uptrend has finished

  ブルームバーグ・ドル・スポット指数は3月の高値以来約10%下落しており、ドル安の度合いや期間を見極めることが投資家の課題となる。

勝ち組

  ニューヨークのヘッジファンド運用者トーマス・J.ヘイズ氏は、ドル安トレンドは高リスクの新興国株と商品の買いシグナルだとみる。グレート・ヒル・キャピタルの会長を務める同氏は「安いドル資金はリスクテークと『高成長』の場所への資金の流れを促す」と指摘。新興国企業のドル建て債務の返済が容易になることも、こうした株式を有望視する理由だとも述べた。

  ジェレミー・ヘイル氏らシティグループのストラテジストによれば、新興国株は一貫してドル相場と逆相関の関係にあり、中南米株は最も大きく影響されるという。

Emerging market stocks show strong negative correlation to the dollar

  ジェフリーズのストラテジストらによる今月の分析によれば、アジアでは中国と香港の企業がドル安から最も恩恵を受ける位置にある。同社ストラテジストらは、「対米輸出業者はドル安で悪影響を受けるものの、こうした時期は通常、世界の株式相場を大いに支える」と述べ、世界のセクター別では「エネルギーや素材、資本財などの景気循環株に大きな恩恵がある」と指摘した。

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  一方、JPモルガン・チェースはドル安を理由に米国株を有望視。同社ストラテジストらは今月のリポートで、ドル安は外国人投資家にとっての米資産の魅力を高めるとともに外国企業には逆風になると指摘し、米国株への資産配分を引き上げた。

負け組

  これに対し、日本株はドル安の恩恵が最も少ないとしばしば指摘される。自国通貨の上昇は日本や欧州の株式パフォーマンスにとって逆風になり得る一方、ドルとの相関関係は新興市場ほど「明確」でないとシティのストラテジストらは分析している。

  AMPキャピタル・インベスターズのダイナミックマーケット責任者ネーダー・ナエイミ氏は「ドルが構造的な下落傾向にある場合、円には一段の上昇余地があり、これは当社の見方で日本株の有望度が最下位となることを意味する」と説明。 「新興国市場はドル安の恩恵を受けるが、日本はその逆だ」と語った。

Japanese shares underperform EM rivals when dollar weakens

原題:Wall Street Rethinks Stock Strategy as Dollar Risks Rise (1) (抜粋)

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