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アジアのウェルスマネジメントに壁、コロナ禍でバンカーは国内足止め

  • 新型コロナ感染拡大で行動制限、見込み客との面談もできず
  • 他国の顧客へのサービス提供には実際の出張が必要-クインラン氏

香港とシンガポールのプライベートバンカーは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で行動を制限され、他地域より速いペースで富が増大するアジア地域での新規顧客開拓が妨げられている。

  国境を越えた資産管理を担うプライベートバンキング業界で世界的中心地の香港とシンガポールでは、バンカーが中国や東南アジアを自由に訪問できず、新たな見込み客と面談してプライベートヨットや不動産などの所有権を確認することもできない状況にある。彼らは代わりに既存顧客の間で高まるトレーディングブームに注目している。

  しかし、域内の新型コロナ感染拡大でバンカーがほぼ足止め状態にある中、潜在顧客の縮小はますます懸念されると業界幹部やバンカーらは話す。UBSグループやJPモルガン・チェースなどは既に、アジアでの新規資金の伸びへに打撃が現れている。規制当局は面談や現地視察を通常義務づけるルールを緩和しているものの、銀行のデジタル化は遅れており、従来型のチェックを見送ることに消極的なバンカーもいる。

  香港の戦略コンサルタント、クインラン&アソシエーツのベンジャミン・クインラン最高経営責任者(CEO)は 「アジアのプライベートバンカーのビジネスの大部分がオフショアからである点が課題だ。他国の顧客にサービスを提供するには、実際の出張が必要だ」と指摘した。

  香港とシンガポールで管理されている資産の半分以上は、両拠点の外からもたらされていいる。プライベートバンカーが数カ月にわたる面談を経て新たな顧客との関係を構築するケースが多い上、顧客の身元証明や資産の源泉を検証する規制要件もある。

Growing Region

Asian wealth is expected to lead growth through the pandemic

Source: Boston Consulting Group

Note: Annual growth rate of wealth; 2019-2024 growth rates are estimates based on a slow recovery scenario

  UBSのウェルスビジネスでは、4-6月(第2四半期)の正味新規資金の92億ドル(約9760億円)のうちアジアの貢献はわずか2億ドルで、前年同期の11億ドルから減少した。だが、アジアはそれでも、トレーディングに支えられ利益面では2番目の大きさだった。JPモルガンのアジアのプライベートバンキング部門の新規顧客数は今年前半に前年同期比で10%減った一方、証券取引活動は50%以上増加した。

原題:
Wealth Management in Asia Hits Snag With Bankers Stuck at Home(抜粋)

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