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短期国債の大量発行、日銀買い入れを圧倒-当局は市場機能重視との声

短期国債の発行残高が日本銀行の買い入れを上回るペースで増加している。新型コロナウイルス対策の主な財源確保に向け、財務省が大量発行しているためで、金利の上昇圧力となっている。

  2020年度第2次補正予算の国債発行計画では、市中発行額が212.3兆円と当初予算に比べ83.5兆円増え、短国はその増加額の73%を占めている。日銀の短期国債の買い入れ残高は7月末に37.8兆円と2月末に比べ28兆円程度増えたものの、市中発行残高は154.5兆円と61兆円程度増えており、買いを大きく上回る供給圧力で短国の需給バランスは悪化している。

  財務省が14日に実施した短国3カ月物入札では、最高落札利回りがマイナス0.0661%と、短期政策金利目標のマイナス0.1%を大きく上回った。米連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な金融政策の影響で利回りが急低下している米国の財務省短期証券とは対照的に、日本の短国は日銀からの買い入れが限定なため金利が高止まっている。

日本は米国と対照的に利回りが横ばい状態

  日銀が短国の買い入れに積極的にみえない理由について、みずほ証券の末広徹シニアマーケット・エコノミストは、「来年度の国債発行が減少する可能性が高いことを考えると、イールドカーブ・コントロールに影響を与えない限り、日銀は市場に吸収させてもいいと考えているのかもしれない」と指摘。短国の買い入れに積極的に踏み込むことで、民間の金融機関同士の取引が減少し、市場機能が低下するのを日銀は避けようとしているとみる。

日銀の買い入れ次第


  海外投資家による購入増加も発行量を吸収するのには十分でない。日本証券業協会のデータによると、海外投資家による短国買い越し額は4-6月の月平均で20.8兆円と、前年同期の17.5兆円からの増加が限定的となっている。

  海外投資家は、ドル・円ベーシススワップ取引を通じて円資金を国内の投資家よりも割安で調達できるため、日本の短国運用では国内勢に比べ有利な立場にある。ただ、FRBがコロナ対策の一環として米ドルの世界的な資金供給を積極的に行ったため、ベーシススワップ相場はドルを貸して円を調達する際に得られる上乗せ金利が縮小している。

  また、SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、金融機関が日銀から円やドルの資金供給を受けるために差し入れる国債担保の需要も減少していると指摘。短期債の金利については、「結局は日銀が短国利回りの上昇を抑えるために買い入れを増やすかどうかにかかっている」と言う。  

  

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