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4-6月機械受注12.9%減、リーマン後以来の減少幅-7月輸出19%減

更新日時
  • 4-6月機械受注は08年10-12月の14.6%減以来の大幅な落ち込み
  • 7月貿易収支は116億円の黒字、4カ月ぶりに黒字に転じる

内閣府が19日発表した機械受注は、民間設備投資の先行指標となる船舶・電力を除く民需の受注額が4-6月期に前期比12.9%減と、リーマンショック後の2008年10-12月期(14.6%減)以来の大幅な落ち込みとなった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で経済活動が世界的に停滞する中、設備投資を手控える動きが広がった。

  財務省が同日発表した7月の貿易収支は116億円の黒字と、4カ月ぶりに黒字に転じた。市場予想では865億円の赤字が見込まれていた。輸出は前年同月比19.2%減と20カ月連続マイナスとなったが、減少幅は2カ月連続で縮小した。

キーポイント
  • 6月の民需(船舶・電力除く)の受注額は前月比7.6%減の7066億円-市場予想2.0%増
    • 製造業は5.6%増の2982億円-5カ月ぶりプラス
    • 非製造業は10.4%減の4284億円-2カ月ぶりマイナス
    • 外需の受注額は前月比3.9%減の5397億円-4カ月連続マイナス
  • 4-6月期の民需(船舶・電力除く)は前期比12.9%減-4四半期連続マイナス
  • 7-9月期の見通しは1.9%減
  • 7月の貿易収支は116億円の黒字(市場予想は865億円の赤字)
    • 輸出は前年同月比19.2%減(予想は20.9%減)の5兆3689億円-20カ月連続の減少
    • 輸入は22.3%減(予想は23%減)の5兆3572億円-15カ月連続の減少

機械受注

  6月の機械受注は船舶・電力を除く民需の受注額が前月比7.6%減と2カ月ぶりにマイナスとなった。水準としては13年2月(7050億円)以来の低さ。製造業では、はん用・生産用機械や化学工業、その他製造業がプラスに寄与し5カ月ぶりに増加に転じる一方、非製造業は鉄道車両を含む運輸・郵便業が前月の反動でマイナスに寄与し、2カ月ぶりに減少した。

  基調判断は「減少している」と、前月の「足元は弱含んでいる」から下方修正された。判断の引き下げは2カ月ぶりで、「減少」の表現が用いられるのは09年8月以来。

  内閣府担当者は、緊急事態宣言が解除された後の6月の機械受注が回復しなかった背景について、企業が投資するにはそれなりの確度での需要回復が必要であり、不透明感がある中で判断と説明。一方、通信関係など比較的堅調な業種や、生産機械や自動車など下げ止まりの兆しのある業種もあり、明るい兆しは見えてきていると語った。

2カ月ぶりマイナス

貿易統計

  7月の輸出では引き続き自動車や関連部品が減少に寄与した。一方、輸入は前年同月比22.3%減と、15カ月連続の減少。原粗油や液化天然ガスがマイナスに寄与した。

  地域別では中国向け輸出が前年同月比8.2%増と7カ月ぶりに増加。米国向けは同19.5%減と12カ月連続の減少となったものの、減少幅は6月の46.6%減から縮小した。

  財務省担当者は、輸出の減少には米国向け自動車などが大きく寄与したと説明。一方、輸出の減少幅が前月から縮小したことについては、中国向けの輸出の増加などが大きく寄与し、中国向けは自動車、半導体等製造装置用の液晶デバイスなどが前年と比べ上昇したと語った。

輸出は20カ月連続マイナス

エコノミストの見方

住友生命保険運用企画部の武藤弘明上席部長代理:

  • 機械受注はすごく弱い、全般的に設備投資に慎重になっている。資本財は業界全体としてまだ厳しい。少なくとも今後半年は設備投資の停滞局面は続くだろう
  • 需要はコロナの反動増で少し戻っているが、本格的に設備投資をするかというとそこまでは踏み切れないという状況。内需も外需も本格的な戻りがあまり見られない。特に内需は消費の戻りもあまりない
  • 貿易統計について今回一番目についたのは、中国向け輸出がプラスに転換していること。明るい兆しだ。ただ、問題は8月以降も同じペースで戻るのかということ。輸出全般で見ると8月-9月は戻りの勢いが鈍化していく可能性がある

農林中金総合研究所の南武志主席研究員:

  • 機械受注は悪い。一つは前月の鉄道車両で、非製造業に効いている。製造業はペントアップ需要もあるだろう。4月、5月で鈍かった分がいったん戻ったという格好。やらなかった分が6月に出たというだけで、ずっと続くわけではない気はするし、やはり経済規模自体が1割くらい縮んでいるため、それに伴って設備投資を遅らせたり、やめてしまったりする動きはこれから出るだろう
  • 輸出については、順調ではないが感染拡大が広がっている割に経済も動かしているという形で、経済活動の再開が進んでいるということだと思う
  • 今後もやはり一定程度しか戻らないだろう、サービス消費が中心だろうが、そういったところは戻らずに、経済活動自体もコロナ前に比べ1割か2割は抑え気味のところで推移するだろう。やはりワクチンなどが開発されない限り長く残ってしまう

背景

  • 4-6月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率27.8%減と戦後最大の落ち込み
  • 内閣府は7月の月例経済報告で、国内の景気判断を2カ月連続で上方修正。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の解除後の消費や生産をはじめとした経済活動再開の動きを反映
    • 国内景気について「依然として厳しい状況にあるが、このところ持ち直しの動きがみられる」と評価し、6月の「極めて厳しい状況にあるが、下げ止まりつつある」から判断を引き上げた
  • 中国の7月の輸出はドル建てで前年同月比7.2%増と、市場予想に反して増加。世界的な経済活動再開が寄与した
(機械受注と貿易統計をまとめ、詳細とエコノミストのコメントを追加して更新しました)
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