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回復モードに浸る新興国市場、8月後半は粘り強さ試す展開か

  • 米中関係緊張で元のボラティリティー上昇、米選挙にらみ慎重論も
  • 「裏口」金融引き締め後のトルコの金利決定に市場は注目へ

新興国市場のラリーは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の始まり以降の値下がりをほぼ帳消しにしたが、米中貿易摩擦の再燃や米国の追加刺激策の遅れを背景に、8月後半に再評価されそうだ。

  先週は株式や通貨、国内債の指数がそろって上昇し、株価指標のMSCI新興市場指数は週間ベースで1月以来最長の上昇局面となった。ただ、新興国では全般に個々のリスクが高まっており、中国では小売売上高と工業生産の指標が予想に届かず、マレーシア経済はアジア金融危機以来最大の落ち込みを記録。ブラジルは新たな政治的混乱に見舞われており、トルコは通貨リラの下支えに苦慮している。

  米大統領選挙が近づく中での米中関係の悪化を背景に、新興国市場の粘り強さが今後試される可能性がある。トランプ大統領は14日、中国のバイトダンス(字節跳動)に対し、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国資産を売却するよう命令。米中両国は第1段階の貿易合意の進展を検証するため週末予定していた協議を延期した。一方で台湾は米ロッキード・マーチン製の戦闘機F16の購入に関する合意書に正式に調印したが、中国政府に非難される公算が大きい。

  MUFGの中東調査責任者、イーサン・コーマン氏は「市場は、この先の波乱の米国選挙を見据えて一段と慎重になり始めるだろう。米中の対立が緩和されない場合は特にそうだろう」と予想した。

Emerging-market stocks are near the highest level since February

  米中関係の緊張は、オンショア人民元の1カ月物インプライドボラティリティーが先週、世界で最も大幅に上昇したことに映し出された。

  米政府の追加景気刺激策を巡る協議は依然として行き詰まっており、その成否を巡る不透明感から今後数日はリスク選好度が低下する可能性もある。今月19日に公表される7月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨は、米金融当局の追加緩和に向けた次の一手について手掛かりを提供する公算が大きい。

  今週はインドネシアとフィリピンの金利決定にトレーダーは注目する見通しだが、最も重要な政策会合は、リラ相場下支えに向けた「裏口」金融引き締めの手段を用いたトルコ中央銀行の政策委員会かもしれない。市場の利上げ圧力とエルドアン大統領の利下げ要求で板挟み状態にあるトルコ中銀は20日、政策金利の1週間物レポ金利を8.25%に据え置く公算が大きい。

原題:
Resilience Test Awaits Emerging Markets Basking in Recovery Mode(抜粋)

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