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【先週の新興国市場】通貨の上昇ストップ、米中関係の緊張再び高まる

  • 米中、今月中旬の高官級協議で第1段階合意の現状評価計画-関係者
  • トルコ・リラは下げ加速、ドルに対して過去最安値

先週はドルが2年ぶり安値近辺にとどまる中でも、新興国通貨の上昇がいったんストップした。米中関係の緊張が高まり、新型コロナウイルスのワクチン開発における進展や米国の追加景気対策に対する楽観といった強材料を打ち消した。7月の米供給管理協会(ISM)製造業総合景況指数が状況改善を示唆したことから、株式は3週連続で上昇。アルゼンチン政府と主要債権者は債務再編で合意した。

8月7日終了週の主なニュースは以下の通り。

ハイライト:

  • 米中両国は今月中旬に高官級協議を行い、第1段階貿易合意の現状を評価することを計画している。複数の関係者が明らかにした
    • トランプ米大統領は中国の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」および通信アプリの「微信(ウィーチャット)」が関わる取引を米国居住者が行うことを禁止する大統領令に署名
    • 中国政府はティックトックの米事業を巡り、マイクロソフトによる買収を受け入れず、売却を余儀なくされた場合は米国に対して行動を取る可能性があると、中国英字紙チャイナ・デーリーが論説で主張。一連のプロセスが当局公認の「盗み」に等しいと指摘した
    • 金融市場に関する米大統領作業部会は、米国で上場する中国企業の開示要件を厳格化するよう勧告した。投資家が不正行為の被害に遭うのではないかとの懸念が強まっていた
  • 中国の輸出は7月にドルベースで予想に反して増加した。世界で経済活動が再開されたことが寄与した。一方、商品価格の下落や国内経済の持ち直しがなお不安定で、輸入は予想外に減少
  • アルゼンチン政府は主要債権者と650億ドル(約6兆8900億円)規模の債務再編で合意した。今世紀で3回目のデフォルト(債務不履行)から同国が立ち直る道筋を整えた
  • レバノンの首都ベイルートの港で大規模な爆発があり、死傷者は現地病院の収容力を超える規模に上った。衝撃は大きく、ベイルート全域で建物の窓ガラスが吹き飛び、爆発音はキプロスでも聞こえた
資産別指数(ニューヨーク時間7日午後4時20分現在)週間
MSCI新興市場指数+0.9%
MSCI新興国通貨指数-0.3%
ブルームバーグ・バークレイズ新興市場の自国通貨建て指数(6日まで)+0.0%

アジア:

  • 中国の製造業活動を測る民間指数は7月に上昇、2011年1月以来の高い水準となった。景気回復の勢いが増していることを示唆した
  • インド準備銀行(中央銀行)は政策金利を過去最低の4%に据え置いた。景気てこ入れのための追加措置の前にインフレ沈静化を待つ考えだ。ブルームバーグが調査したエコノミスト44人の半数は0.25ポイントの利下げを予想していた
  • インドネシアの4-6月(第2四半期)の国内総生産(GDP)は前年同期比5.32%減少した。マイナス成長は20年余り前のアジア金融危機以来。新型コロナ感染拡大を封じ込めるための移動制限が打撃を与えた

EMEA:

  • トルコ・リラは下げが加速し、ドルに対して過去最安値を付けた。国営銀行の介入でも市場を落ち着かせることはできなかった
    • 4日には複数の国際的な銀行が、トルコの銀行を相手方としたトルコ・リラのポジションを決済することができなかった。オフショア市場でのリラの流動性を制限する政策の結果だと関係者が明らかにした

中南米:

  • ブラジル中央銀行は政策金利を0.25ポイント引き下げて過去最低の2%とすることを決めた。新型コロナ感染拡大で打撃を受けた国内経済の下支えを目指す政策担当者は、追加利下げの可能性を排除しない姿勢を示した
  • 国外に居住するメキシコ人労働者による本国への6月の送金額は、過去最高を記録した3月に次ぐ2番目の高水準。メキシコ中央銀行の発表によると、送金額は前年同月比11%増の35億4000万ドル
今後のデータと経済リリース:
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原題:EM Review: Return of U.S.-China Tensions Put Brakes on Rally(抜粋)

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