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LIBOR参照の貸出・債券、新規取引21年6月末ごろに停止-検討委

更新日時
  • 円金利指標検討委が市中協議、21年9月末ごろまでに「顕著な削減」
  • フォールバックレート、ターム物リスクフリーレートに支持

日本銀行が事務局を務める「日本円金利指標に関する検討委員会」は7日、2021年末に公表停止が迫っているロンドン銀行間取引金利(LIBOR)に代わる円金利指標への円滑な移行を図るため、21年6月末ごろをめどにLIBORを参照する貸し出しや債券の新規取引を停止するなどとした移行計画案を含む市中協議文書を公表した。9月30日まで意見を募った上で、最終的にとりまとめる。

  市中協議の資料の文章中には、移行計画の詳細な時期は明記されていないが、公表された図表からはLIBORを参照している貸し出しと債券について、第2四半期末までに新規取引を停止し、第3四半期末までに「顕著な削減」を図ることが読み取れる内容となっている。移行時期は、個社の事情にもよるため、「ひとつの目安であることに留意する必要がある」と注意書きしている。

  複数の関係者は、検討委員会の公表前にブルームバーグに対し、金融機関などが代替金利指標への移行を円滑に行うため、目安となる対応時期を示すことが重要となっていると指摘。既存の貸し出しについても、早期にLIBORに代わる指標を定めたフォールバック条項の導入に関する契約締結に向けた交渉を開始し、21年9月末までに同条項の手当ての完了を目指す必要があるとの認識が検討委員会で示されていることを明らかにした。

LIBOR新規貸し出し21年6月末までに停止を、移行計画案-関係者

  市中協議では貸し出しと債券のフォールバックレートと、導入に際して生じるスプレッドの調整手法も示した。フォールバックレートについては、国際的な整合性の観点を含め、代替金利指標の選択肢の1つである「ターム物リスク・フリー・レート」を第1順位とすることが委員会の支持を得るとともに、同レートを参照する場合は円LIBORと翌日物リスク・フリー・レートの調整スプレッドを過去5年間の中央値で算出する手法が適当などとしている。

  LIBORの移行計画案について日銀は、現在検討中の市中協議の中身についてはコメントできないが、21年末という期限を踏まえると金融機関や事業法人などの関係者がしっかりと対応を進めていくことが重要と考えている、とコメントした。全国銀行協会はコメントは差し控えるとしている。

  日銀と金融庁が昨年10-12月に金融機関や証券・保険会社を対象に実施したLIBOR利用状況の調査によると、ドルなどの5通貨合計で貸し出しなどの運用が約164兆円に達しており、このうち円LIBORの運用は32兆円で、貸し出しが21兆円を占めている。

  LIBORは貸し出しやデリバティブなどの基準金利として膨大な金融取引に使われており、機関投資家や事業法人などを含めて利用者も多岐にわたる。日銀と金融庁が7月に公表した共同リポートでは、「仮に十分な備えのない状態でLIBORが公表停止となった場合の影響は甚大」とし、「各金融機関には、顧客企業等も巻き込みながら、時限性を意識した対応の継続が求められる」としている。

(市中協議の内容などを追加して更新しました)
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