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GPIF:運用益12兆円超と過去最高、外債比率は低下-4~6月

更新日時
  • 4-6月期は収益率も8.30%で過去最高、運用資産残高も回復
  • 国内外の株価上昇で1-3月期からV字回復

世界最大の年金基金、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2020年度第1四半期(4-6月期)運用益は過去最高となった。新型コロナウイルスによる経済悪化に対処するための世界的な金融緩和などを受けた国内外の株価上昇が要因で、過去最大の運用損を計上した1-3月期からV字回復した。一方、外国債券は保有額は増えたが構成比は低下した。

  GPIFの発表によると、4-6月期の運用益は12兆4868億円、収益率は8.30%。いずれも年金積立金の市場運用が始まった01年度以降、16年10-12月期以来の過去最高だった。6月末の運用資産残高は162兆926億円に回復した。

  しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、GPIFの運用状況について、「新型コロナウイルスの影響で景気は悪いが財政政策などもあってリスク資産にお金が流れる環境になっており、理にかなっている」と指摘。「国内はゼロ金利が続く環境なので、今後はまだ多少利回りある外債を増やすだろう」との見方を示した。

4-6月期の運用収益率と資産残高

運用資産全体8.30%収益率、収益額とも過去最高
 国内債券▲0.46%
 国内株式10.95%
 外国債券3.45%
 外国株式19.99%収益率、収益額とも過去最高
6月末の運用資産額162兆926億円
自主運用が始まった01年度からの累積収益70兆245億円

資産別の構成割合

  株価上昇を受け、年金積立金全体に占める6月末時点の外国株式の構成比は27.49%と過去2番目の高水準。国内株式も3月末より持ち直した。一方、今年度から保有比率の目標値を従来より10ポイント高い25%とした外債は保有額の増加にもかかわらず、構成比が21.81%に低下。3月末に全体の1.2%を占めていた為替ヘッジ付き外債を国内債に算入するルール変更もあり、目標値までの外債買い増し余地はむしろ拡大した。

  GPIFは今回からヘッジ外債と短期資産の構成比を非公表とした。ヘッジ外債と円建ての短期資産は国内債に、外貨建ての短期資産は外債に含まれる。一方、債券と株式のリスク管理を強化する観点から、国内外を合わせた債券と株式の構成比を公表。債券は48.14%、株式は51.86%だった。

年金特別会計が管理する資金も含めた積立金全体に占める構成比(6月末)

国内債券26.33%
為替ヘッジ付き外債国内債に算入非公表に
国内株式24.37%
外国債券(為替ヘッジなし)21.81%
外国株式27.49%過去2番目
短期資産

円建ては国内債

外貨建ては外債に算入

非公表に
オルタナティブ(代替)資産0.58%

宮園理事長コメント

  GPIFの宮園雅敬理事長は公表資料で、4-6月期は「新型コロナウイルスを封じ込めるためのロックダウンが各国において徐々に解除に向かい、経済活動の再開や各国政府による手厚い財政政策・金融当局による積極的な金融緩和策を受けて米国を中心に経済指標が改善し、国内外の株式市場は大幅な上昇となった」とともに、為替相場は「対ドルではおおむね横ばいも、対ユーロでは円安が進行した」と説明した。

  

(市場関係者のコメントなどを追加します)
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