コンテンツにスキップする

香港国安法の治安トップに多くの顔-芸術愛すも外国メディアに不信感

  • 国家安全維持公署の鄭雁雄氏、過去に外国報道機関への嫌悪あらわに
  • 広東省の村で抗議活動への対応実績-香港市民に恐怖心植え付けか

中国が香港の統制を強める香港国家安全維持法(国安法)の施行で新設された治安機関、国家安全維持公署の鄭雁雄署長は芸術の愛好家であり、宣伝部門に在籍したことがあり、都市計画にも熱心な人物だ。大学では中国の伝統医学を学んだ鄭氏は、従来型の治安機関トップではない。

  鄭氏(57)が持つさまざまな顔は幅広い手法で国安公署を運営していく人物であることを示唆している。香港当局を「監督・指導」する公署は、習近平指導部に対して報告義務がある。

China Imposes National Security Law In Hong Kong

7月8日の香港国家安全維持公署の開所式に出席した鄭雁雄署長(右端)

  国安法は鄭氏に情報収集や本土で起訴する「複雑な」事案の選択、外国報道機関の管理など広範な権限を与えている。米中の緊張激化で香港駐在の米国人記者が報復対象に挙がる中で重要性が今後高まる可能性がある。

中国、ビザ問題巡り報復か-香港駐在の米記者が次の標的にも

  鄭氏は広東省烏坎村の土地売却を巡り2011年に起きた地元共産党幹部に対する抗議活動への対応に関わり、世界の関心を集めた。その際、党当局者がよく示す外国メディアへの嫌悪感をあらわにする場面があった。

  同氏は当時、「外国メディアが信用できるならブタも木に登る」と発言。一方で、一部の外国報道機関は客観的で、知られていない問題に当局が関心を向ける手助けになるとも指摘した。

  鄭氏が中国政府にとって信頼に足る強硬派であることを示したのが烏坎村がある汕尾市トップの党委書記に任命された後だ。烏坎村で土地売却に反対する地元住民グループの取り締まりを監督した。

Villagers watch as Zheng Yanxiong who is

鄭雁雄氏の発言を放送するテレビを視聴する烏坎村の住民(2011年12月)

  同氏の戦略を巡る詳細は今後も分からないままだろう。林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は先月7日、国家安全維持委員会の初会合に関する報道発表が同委に関連する最初で最後の公表になると記者団に説明しており、この委員会の会議がいかに公にしにくいものであるかを物語っている。

香港行政長官、国家安全維持法を擁護-警察には広範な権限付与

  抗議活動の集合場所となることが多かったビクトリア公園を見渡せるメトロパークホテルに国安公署は臨時の事務所を置いている。鄭氏に接触しようとしたが、うまくいかなかった。

  ロンドン大学SOAS中国研究所の曽鋭生所長は、「鄭氏には忠誠心があり、指導部がしてもらいたいことをためらわず、容赦なく実行する。国安公署の署長に適任であるように見える」と指摘。「その目的は香港市民に十分な恐怖心を植え付け、抵抗を考えることすらしないようにすることだ」と述べた。

原題:Hong Kong’s New Security Czar Loves Art, Distrusts Foreign Media(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE