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トヨタ、コロナ禍でも1Q営業黒字確保-市場予想は2000億円赤字

更新日時
  • コロナなどでマイナス影響8100億円も利益水準の高さやコスト削減で
  • 国内自動車で1Q営業黒字はトヨタとスズキのみ、収益力の差顕著に

トヨタ自動車は6日、第1四半期(4-6月期)の営業利益が139億円だったと発表した。前年同期比98%の大幅減となったものの、新型コロナウイルスの感染拡大で世界中の多くの工場が稼働を停止して販売が低迷する中、巨額の赤字を見込んでいた市場の予想を大きく上回った。

Japan Auto Dealerships Ahead of Full-year Earnings

都内のトヨタ販売店(5月10日)

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

  トヨタの発表資料によると、4-6月期の売上高は前年同期比40%減の4兆6008億円にとどまり、コロナ禍の影響の大きさをうかがわせた。営業利益は台数減少などの販売面で8100億円の影響が出たものの、もともとの利益水準が高かったことに加え、コスト削減の努力などで黒字を確保した。ブルームバーグが集計したアナリスト5人による営業損益予想の平均値は2068億円の赤字。国内自動車メーカーで第1四半期に営業黒字となったのはトヨタとスズキのみ。

今期業績予想
  • 売上高:24兆円(前期29兆9300億円、市場予想24兆6574億円)
  • 営業利益:5000億円(前期2兆4429億円、市場予想1兆567億円)
  • 純利益:7300億円(前期2兆762億円、市場予想1兆803億)

  決算発表後、トヨタの株価は上げ幅を拡大し一時前日比3%高の7月17日以来の日中高値となる6850円まで上昇。同2.3%高の6800円で取引を終えた。

  トヨタはまた従来未定としていた今期(2021年3月期)の純利益が前期比64%減の7300億円になる見通しだと発表した。期初には未定としていた営業外損益などを計上したため。売上高と営業利益については従来予想を据え置き、配当も未定のままとした。

4-6月実績
  • 売上高:4兆6008億円(前年同期比40%減、市場予想4兆4341億円)
  • 営業利益:139億円(同98%減、市場予想2068億円の赤字)
  • 純利益:159億円(同74%減、市場予想417億円の赤字)

  通期の連結販売台数見通しについては720万台と期初の見通しから20万台上積み。為替レートは従来想定の1ドル=105円、1ユーロ=115円を据え置いた。

  新型コロナ感染拡大の影響で世界の車市場が急速に縮小する中、米フォード・モーターや日産自動車など一部の大手自動車メーカーは通期の赤字を見込む。その一方で、トヨタやドイツのフォルクスワーゲン(VW)、米ゼネラル・モーターズ(GM)は黒字を見込んでおり、コロナ禍で各社の収益力などの差が如実になりつつある。

明暗が分かれる

  ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達夫アナリストはトヨタの決算発表前の電話取材で、自動車部品メーカーを含め4-6月期の決算がおおむね出そろい「明暗がくっきり分かれている」と指摘。その背景として「しっかりとしたブランドとか販売・サービスネットワークとか顧客基盤とかを持っているところと今までむちを入れ何とか販売を引っ張ってやってきた会社との違い」が出た、との見方を示した。

  勝ち組であっても新型コロナの影響で4-6月期の業績は厳しい。VWは24億ユーロ(3000億円)、GMは12億ドル(1280億円)の営業赤字だった。同じく通期では営業黒字を見込むホンダも4-6月期は1137億円の営業赤字だった。

  競合他社と同様、トヨタは4-6月期に高級車ブランド、レクサスを含めた販売台数で前年同期比31%減と大きく落としたものの、5月時点の想定を9ポイント上回った。中国を含めた各市場で想定よりも回復が早いことから、通期の販売台数見通しを20万台上乗せした720万台とした。

  吉田氏は、トヨタが中間決算発表時に通期の業績見通しを上方修正するだけの「実力はある」と指摘。トヨタの広報担当者は、今後も経営環境が大きく変動する可能性があるのは変わりはないとし、業績予想を上方修正するかどうかについて語るのは時期尚早と述べた。

  新型コロナが世界経済を大きく揺さぶる中、日系自動車メーカー主要7社で唯一、トヨタは5月に21年3月期の業績見通しを発表。日産、ホンダなど5社は第1四半期の業績発表時に初めて通期の見通しを明らかにした。新型コロナの感染拡大が続くインドを主力市場とするスズキは未定を維持した。

  日系自動車メーカー7社の業績と販売は以下の通り。(かっこ内は前年との比較)

21年3月期営業損益見通し4-6月期営業損益今期販売台数見通し4-6月期販売台数
トヨタ5000億円(-79%)139億円(-98%)720万台(-20%)115万8000台(-50%)
日産-4700億円(前期-405億円)-1539億円(前年同期16億円)412万5000万台(-16%)64万3000台(-48%)
ホンダ2000億円(-68%)-1137億円450万台(-6.1%)79万2000台(-40%)
スズキ未定13億円(-98%)未定26万3000台(-64%)
マツダ-400億円(前期436億円)-453億円(前年同期70億円)130万台(-8%)24万4000台(-31%)
SUBARU800億円(前期2103億円)-157億円(前年同期922億円)90万台(-13%)13万3100台(-49%)
三菱自動車-1400億円(前期128億円)-533億円(前年同期39億円)

84万5000台(

-25%)

13万9000台(-53%)
(同業他社の情報を追加して更新します)
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