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ブリヂストンが2000億円の支出削減、コロナ第2波前提に業績予想

更新日時
  • 2月以降はキャッシュフロー重視徹底、3メガから2000億円融資も
  • 補修用タイヤが下支え、工場再開進み今は少しいい状況-石橋CEO

世界最大のタイヤメーカー、ブリヂストンは新型コロナウイルス感染拡大への対応で今期(2020年12月期)に当初予算比で2000億円規模の支出削減を進めることを明らかにした。7日に発表を予定する上期(1-6月期)の決算では、第2波到来の影響を織り込んだ通期業績の見通しを示す方針だ。

  石橋秀一最高経営責任者(CEO)が都内の本社での7月29日のインタビューで明らかにした。同氏によると、ブリヂストンでは感染が中国から欧米に拡散し始めた2月以降に危機管理チームを立ち上げて現金の流れを重視した「キャッシュフロー経営にすべてシフト」する方針を打ち出し、大規模なコスト削減に着手したという。

  具体的には広告宣伝やイベント経費などさまざまな出費を見直し、年間で当初予算より約1000億円程度支出を減らす。投資についても必要性の低いものから約1000億円分を取りやめるという。

Bridgestone Tire Store and New CEO Shuichi Ishibashi Interview

インタビューに臨む石橋秀一最高経営責任者(先月29日)

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

  新型コロナの感染拡大に伴って一時は世界中の国で都市封鎖(ロックダウン)が実施され、経済活動が大きく影響を受けた。ブリヂストンも5月、期初に示した通期の業績予想を取り下げて未定とし、国内3メガ銀から2000億円の短期融資を受けるなど手元資金の確保を急いでいた。

  石橋氏によると、7日に発表する上期の決算では、下期以降に新型コロナの感染の再拡大があるとの前提で売上高や利益についての大まかな数字を公表する方向。今後の状況は「誰もわからない」中で、「仮定を置いて投資家にもきちんと情報提供しないといけない」と考えたためで、影響の規模については第1波の半分程度を想定しているという。

  この日、前日比下落で取引されていたブリヂストンの株価は午後の取引で下げ幅を縮小。一時前日比0.6%安の3177円まで値を戻した。午後1時25 分現在では0.9%安の3168円で取引されている。

  ブルームバーグが集計したアナリスト10人による営業予想の市場予想平均値は前期比36%減の1881億円となっている。ブリヂストンの株価は年初来で20%以上下落しており、日経平均を下回っている。

まだ足りない

  コスト削減の規模はブリヂストンの前期の純利益2926億円の約3分の2に相当するが、先行きが不透明な現状を踏まえると石橋氏は「それをやってもまだ足りないぐらい」だとした上で、「本当にひどい状況になったときはまた別のこと考えないといけない」と、より重要度の高い経費や投資を断念する必要が出てくるかもしれないとも述べた。また、事態が落ち着いてきた段階で社債発行も検討したいとした。

  新型コロナの影響で4月以降、業績が急激に悪化した日本企業は少なくない。その中で日産自動車は28日、新型コロナの第2波が来ない前提で今期の業績見通しを発表し、純損失が前期並みの6700億円になるとの見通しを示した。

Bridgestone Tire Store and New CEO Shuichi Ishibashi Interview

ブリヂストンのタイヤ(コックピット豊洲・先月30日)

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

  4-6月期が1591億円の営業赤字となったANAホールディングスは通期の見通しについて従来の「未定」を継続するとした。コロナ禍の収束時期が不透明で合理的な算定が困難なためで、3カ月後の4-9月期決算発表時に一定の前提条件を置いた上で通期業績予想を開示する方針という。

  新型コロナで乗用車や建機、航空機など新車向けのタイヤ需要は大幅に落ち込んでおり、交換や補修の需要に支えられている。石橋氏によるとブリヂストンでは6月以降は工場の再稼働が進んだこともあって「第2波がなければ少しいい状態」。現状では営業損益で赤字転落は避けられるのではないかとの見通しを示した。

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