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ウイルスハンターは下水検査やドローン活用、コロナ感染拡大防止で

  • 下水調査はウイルスの早期警戒システムとして役立つ-豪大学教授
  • ドイツや英国やオーストラリアは感染者嗅ぎ分ける犬を訓練

フェイスシールドとマスクを着用し、手袋を2枚重ねで装着した作業着姿の科学者2人が、シンガポール中心部の寮の外で金属製マンホールのふたを慎重に持ち上げる。移民労働者約400人の排泄物を調べるためだ。

  悪臭を放つ下水管から黄色のゴム管で採取した茶色がかった液体サンプルは、新型コロナウイルスの一歩先を行こうとするシンガポールの取り組みを映している。

  こうした下水調査は、患者を検査するよりも早期に病原体の有無を識別できるとオランダの科学者が3月に指摘した手法だ。感染拡大が制御不能になる前に流行地区を特定しようと世界各地で進められている。

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シンガポールの移民労働者寮の外で下水サンプルを収集する科学者

写真家:ファリスモフタール/ブルームバーグ

  シンガポール国立大学病院(NUH)の感染症医師で、危険な伝染病の監視に取り組むグローバル・アウトブレイク・アラート・アンド・レスポンス・ネットワーク(GOARN)の会長を務めるデール・A・フィッシャー氏は「地域に新型コロナがいないと思っても下水に見つかれば、どこかにいることが分かる」と話す。

早期警戒

  オーストラリア国立大学医学部のピーター・コリニョン教授(臨床医学)は、新型コロナウイルスの潜行性を考えれば、従来の調査を補強する方法を見つけることが極めて重要だと語る。

  感染者はウイルスを飛沫だけではなく、尿や便からも排出している。潜伏期や鼻や喉の検査で陽性にならなくなった後も排泄物にウイルスが含まれていることはある。このため同教授は、下水のモニタリングは地域社会で確認される前に病原体を見つける有用な方法だと指摘。下水でのウイルス発見は早期警戒システムとして役立ち、当局が市民や市民の移動に関する規制を強化するきっかけになるとみている。

  オーストラリアやスペインなどの国が新型コロナ感染の新たな波に苦戦する中、科学者や公衆衛生当局者はウイルスを捕捉するための新たな手段に注目しており、探知やドローンなども含まれる。

  ドイツと英国、フランス、フィンランド、オーストラリアでは感染者を嗅ぎ分ける犬を訓練する取り組みが進められている。犬の鋭い嗅覚で感染者自身も気づかない代謝の変化を探知できると想定した研究だ。

犬が新型コロナ感染の有無を嗅ぎ分け、短期間の訓練で-ドイツの研究

   南オーストラリア大学の研究者らは、呼吸器感染症の兆候がある人を群衆の中で特定する特殊なセンサーとコンピューター画像認識システムを備えた 「パンデミックドローン」に取り組んでいる。人々が集まるオフィスや空港、クルーズ船、介護施設などで利用される可能性があるという。

原題:
Facing Fierce New Waves, Virus Hunters Turn to Sewage and Drones(抜粋)

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