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ゴールドマンとBofA、アント競合との取引理由に外される-関係者

  • アリババやテンセントは巨大-将来の大きな収入源から遮断の恐れも
  • 「競争が激しさを増し、中国発行体が強い交渉力を得た」との指摘も

中国のアリババグループ傘下アント・グループが香港で実施する予定の新規株式公開(IPO)で、ゴールドマン・サックス・グループとバンク・オブ・アメリカ(BofA)が主要業務から外されたのは、アリババと競合する企業の上場を以前支援したことが理由だ。事情に詳しい関係者が明らかにした。 

  ゴールドマンとBofAはアント株の3割超を保有するアリババの幹部から、アリババ系企業と取引したいのなら、同社の競合企業との取引を避けるよう告げられたという。

  アントは先月、香港と上海に上場する計画を発表。サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコが昨年実施した290億ドル(約3兆1000億円)規模のIPOを抜き、史上最大のIPOとなる可能性がある。  

  アリババやテンセント・ホールディングス(騰訊)などのコングロマリットは金融や運輸、小売り、エンターテインメント分野の数百社を傘下に置く。こうした要求は、ウォール街の金融機関が中国で取引するためには、どの中国企業を顧客にするかを早い段階で決める必要があることを示している。

  北京のシンクタンク、全球化智庫(CCG)のアンディ・モック上級研究員は「複占は中国だけの問題ではないが、 アリババとテンセントの事業規模とその広がりは投資銀行にとって極めて難しいジレンマを生んでいる」と指摘し、「両社の事業は非常に大きく、将来の大きな収入源から遮断されるリスクがある」と語る。

  投資銀行が顧客企業のライバルとの取引に気を遣わなければならないのはどこでも同じだ。だが、中国のコングロマリットはその必要性を新たなレベルにまで高めようとしている。関係者によると、銀行側はアリババやテンセントのような顧客の案件を扱う上で、行内にファイアウオールを設け、別のチームが扱うよう確実にするが、それだけでは十分でないことが判明しつつある。

China Duopoly

Alibaba, Tencent expand their empires via investments in tech companies

Sources: CB Insights and Bloomberg data

Note: As of Nov. 2019.

  忠誠心を求める中国の顧客は慎重な扱いを要する戦略の内容が競合他社の手に決して渡らないようにするため、欧米勢と比べはるかに強いコミットメントを銀行側に求めてくる。大型案件が限られる中で、競争が熾烈(しれつ)な中国市場で各行は顧客の要求をのむしかほとんど選択肢がない状況だ。

  中国国際金融(CICC)の元投資バンカーで、中国絡みの案件に関する助言を行うDRPキャピタルを設立したボブ・ドッズ氏は、「競争が激しさを増し、中国発行体が強い交渉力を得た」と話す。

  ゴールドマンやBofAは、テンセント系の拼多多(PDD)やJDドットコム(京東)の上場で業務を担当した。

  両行の担当者はコメントしなかった。アントとアリババはそれぞれの電子メールでコメントを控えた。

  事情に詳しい関係者によれば、アントは香港IPOを率いる金融機関としてシティグループとJPモルガン・チェース、モルガン・スタンレー、CICCを起用。IPO規模が100億ドルを超え、アントの企業価値は2000億ドルと評価される可能性があるという。

原題:Goldman, BofA Left Off Ant IPO for Work With Alibaba Rivals (1)(抜粋)

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