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武田薬:営業益見通し増額、市場予想上回るーEC売却義務解除で

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武田薬品工業は今期(2021年3月期)の営業利益予想を3950億円(従来予想は3550億円)に上方修正した。ブルームバーグが集計したアナリスト12人の予想平均3869億円を上回る。19年1月のシャイアー買収に関連して欧州委員会(EC)が義務づけていた新薬候補の売却が解除されたことが影響した。

  ECはシャイアーの新薬候補「SHP647」が、武田薬が販売中の製品と炎症性腸疾患領域で重複することから、シャイアー買収承認の条件として、SHP647の売却を求めていたが、競合上の懸念はないとして5月に売却義務の解除を決定。

  売却の必要がなくなったことから、同社は臨床試験プログラムの中止コストなど将来発生が見込まれる関連費用の変動影響に対する負債の見積額を見直し、約600億円の増益影響を織り込んだ。

今期の業績予想:
  • 売上高:3兆2500億円(従来予想と変わらず、市場予想3兆2734億円)
  • 営業利益:3950億円(従来予想3550億円、市場予想3869億円)
  • 純利益:920億円(従来予想600億円、市場予想1071億円)
第1四半期(4-6月期)の実績:
  • 売上高:前年同期比5.6%減の8019億円
  • 営業利益:3.7倍の1673億円
  • 純利益:825億円(前年同期は70億円の黒字)

  同社は新型コロナウイルス感染症の治療用として、感染後回復した人から集めた血漿(けっしょう)から抗体を抽出して作る製剤の開発を進めている。同製剤事業のトップを務めるジュリー・キム氏は31日の決算発表カンファレンスコールで、治療の有効性を示すための主要な評価項目のデータや米国で緊急時の使用承認が、年内にも得られることを期待していると話した。

(幹部の発言を追加して記事を更新します)
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