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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
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6月失業率2.8%、7カ月ぶり改善-有効求人倍率1.11倍に低下

更新日時
  • 失業率は市場予想に反して改善-有効求人倍率は1.11倍に低下
  • 鉱工業生産は前月比2.7%上昇、基調判断を上方修正
Pedestrians wearing protective masks are reflected on a glass wall in the Shinjuku district of Tokyo, Japan, on Friday, July 10, 2020. Japan is forging ahead with further steps to re-open the economy even as daily coronavirus cases continue to climb, with local media reporting Tokyo posting a daily record of over 240 infections on Friday.
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

緊急事態宣言が解除されて社会経済活動が徐々に再開へ向かった6月の経済統計では、失業率と生産で改善が見られた。完全失業率は市場予想に反して7カ月ぶりに低下、鉱工業生産指数は5カ月ぶりにプラスとなり、基調判断は上方修正された。

キーポイント
  • 完全失業率は前月比0.1ポイント低下の2.8%(市場予想は3.1%)-前月は2.9%
  • 有効求人倍率は前月比0.09ポイント低下の1.11倍(市場予想は1.15倍)-前月は1.20倍
  • 生産指数は前月比2.7%上昇(市場予想は1.0%上昇)の80.8-前月は8.9%低下

雇用

  総務省が発表した完全失業率は前月比0.1ポイント低下の2.8%。就業者数は前年同月比77万人減の6670万人、雇用者数は同94万人減の5929万人で、いずれも3カ月連続でのマイナスとなった。休業者は236万人で、前月の423万人から減少した。

  厚生労働省が発表した有効求人倍率は前月比0.09ポイント低下の1.11倍と6カ月連続で低下し、15年14年10月(1.11倍)以来の低水準だった。新規求人は前年比18.3%減で、生活関連サービス業・娯楽業(34.8%減)、製造業(34.2%減)、宿泊業・飲食サービス業(29.4%減)などで引き続き減少した。

  完全失業率について総務省担当者は、良くなっている、底を打っているという話ではなく、前月に比べて悪くなってはいないという状況と説明。1年前と比較して悪化している状況は変わらないと語った。

有効求人倍率は6カ月連続低下

生産

  経済産業省が発表した鉱工業生産指数(15年=100)は前月比2.7%上昇の80.8と、5カ月ぶりにプラスとなった。上昇率は市場予想を上回った。業種別では全15業種のうち10業種が上昇。新型コロナウイル感染拡大の影響で生産調整を強いられていた自動車工業のほか、ショベル系掘削機械やフラットパネル・ディスプレー製造装置を含む生産用機械工業、プラスチック製品工業の上昇寄与が大きかった。

  基調判断は、生産は「下げ止まり、持ち直しの動きがみられる」とし、従来の「急速に低下している」から上方修正された。製造工業生産予測調査によると、7月は前月比11.3%上昇、8月は3.4%上昇する見通し。予測誤差を加工した7月の試算値は3.1%上昇が見込まれている。

基調判断を上方修正

エコノミストの見方

伊藤忠総研の武田淳チーフエコノミスト:

  • 全体としては生産の底入れが確認された。車に関していえば、需要の若干の回復は見通せているので、それに伴った動きだろう。国内消費は4-5月には底入れしてきているので、それに関連する生産財から最終消費財まで幅広く底入れの動きが出てくるだろう
  • 失業率が下がったということは雇用調整助成金の効果がかなり出ているということだろう
  • 一部に就職を控えている人や仕事探しの中断で失業率が下がるということもあるので、プラス・マイナス両面あるにせよ、失業率が下がっているということは、消費者心理に与える影響は抑えられ、雇用が維持されているという意味では景気にとって非常にいい
  • 今回の経済指標は5月には底入れした可能性が高いということを裏付けるものだった。ただ、先行きはコロナ次第。いつピークアウトするのか、それに対し政府がどういう行動制約をかけてくるのかによる

第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミスト:

  • 生産は大きく落ち込んだ後ということもあるが強い。底を打ったといっていい
  • 自動車の回復が大きい。4月、5月に、世界的なロックダウン(都市封鎖)や国内では緊急事態宣言が解除され大きく絞り込んだ後で戻してきている。自動車の生産が元の水準に戻るのは割と早い可能性がある
  • 景気全体で見ると大きく減速した後、消費・生産ともに明確に持ち直している。7-9月期の国内総生産(GDP)は2桁以上の成長になる可能性があり、数字だけ見るとV字になり得る
  • ただ国内外共にコロナ感染者が増えていることもあり不透明感は強い。コロナの状況に依存するところが大きく、下振れリスクの方が大きい
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(雇用関連と鉱工業生産の統計をまとめ、詳細を追加し、エコノミストコメントを差し替えて更新しました。失業率の改善の時期は訂正済みです)
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