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政策は弾力的・柔軟に対応、経済は回復への移行期-雨宮日銀副総裁

更新日時
  • 不確実性高い状況が継続、企業・家計の支出スタンスへの影響を注視
  • 資金繰り支援・市場安定に注力、マイナス金利深堀り排除せず

日本銀行の雨宮正佳副総裁は29日、都内の日本記者クラブで講演と質疑を行い、日本経済は回復に向けた移行局面に入りつつあるとの認識を示す一方、新型コロナウイルスの経済への影響は不確実性が高い状況が続いているとし、金融政策運営は「弾力的・柔軟に対応していく」必要性を指摘した。

  雨宮氏は、新型コロナが経済に与える影響について、1)感染拡大防止策によって経済活動が大きく抑制される感染拡大局面、2)感染拡大に歯止めがかかった後の移行局面、3)「ポスト感染症」ともいうべき新状態-の3つの段階に整理した。

  その上で、世界的な感染拡大の継続や日本を含めて感染再拡大のリスクが懸念されている中で「内外経済の回復への道筋がはっきりと見える状況には至っていない」としながらも、経済活動が徐々に再開されていることなどを踏まえて「回復に向けた移行局面には入りつつある」との認識を示した。

Bank of Japan Deputy Governor Masayoshi Amamiya

雨宮正佳日銀副総裁

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  こうした移行局面では、「感染症の経済に対する大きなショックが、企業や家計の支出スタンスに与える影響に注意が必要だ」と指摘。感染症が「企業収益や雇用・所得に影響を及ぼすことは避けられない」ものの、政府・日銀による積極的なコロナ対応が「事業や雇用の継続を強力に下支えしている」と強調した。

  もっとも、今回のような大きなショックは「企業や家計の成長期待を低下させ、支出行動を慎重化させるリスクがある」とともに、日銀の現在の見通しも「不確実性が高く、下振れリスクが大きい」と説明した。

コロナ対応策「まだ十分できる」

  日銀は3月以降、企業などの資金繰り支援や金融市場の安定確保を中心に、コロナ対応策を相次いで打ち出してきた。引き続き「企業の資金繰りには、ストレスがかかっている」中で、今後も資金繰り支援を中心としたコロナ対応の「特別プログラム」など、「3つの柱により、資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めていく方針だ」と表明した。

  3つの柱による対応は「まだ十分できる」とし、その枠組みにおいて「マイナス金利の深掘りも選択肢としては排除しない」と言明。当面は「感染症の影響を注視し、必要があれば、躊躇(ちゅうちょ)なく追加的な金融緩和措置を講じていく」姿勢を改めて示した。

  また、日銀が進めている大規模な国債買い入れは「金融政策上の目的で行っているものであり、財政資金の調達支援を目的とする財政ファイナンスではない」と説明。将来的に経済が正常化する局面で、「金利を上げることが経済の動きと整合的になれば、当然、金利を上げる」と述べ、その際には「財政収支の事情を勘案することはない」と語った。

(詳細を追加して更新しました)
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