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野村HDの4-6月純利益は2.6倍、「収益力上がった」とCFO

更新日時
  • グローバルマーケッツが好決算の原動力、純利益過去2番目の高水準
  • コロナ後の市場環境の変化見据え、事業の見直しは継続ー北村CFO

国内証券最大手の野村ホールディングスが29日発表した2020年4ー6月(第1四半期)連結決算によると、純利益は前年同期比2.6倍の1425億円となった。ホールセール部門やリテール部門の利益が伸びたほか、一時要因である不動産関連益も寄与した。四半期ベースでは過去2番目に高い利益水準となった。

Views of Nomura and Daiwa Securities Ahead of Earnings Announcement

純利益は過去2番目の高水準に

第1四半期の主な収益(増減は前年同期との比較)
  • 収益合計は1%増の5140億円
    • 委託・投信募集手数料は25%増の855億円
    • 投資銀行業務手数料は60%減の108億円
    • アセットマネジメント業務手数料は11%減の537億円
    • トレーディング損益は23%増の1391億円

  ホールセール部門は、金利や為替、クレジットを中心にフィクスト・インカムが好調だったほか、米州やアジアのエクイティ収益が大幅に伸び、四半期ベースの収益が過去最高となった。リテールを担う営業部門も新型コロナウイルスの影響で営業活動に制約があった中、増益を確保した。

  また、東京・日本橋の再開発に関連し、保有する不動産と引き換えに再開発後のビルに権利床を取得、新たな資産と簿価の差益として税前利益で711億円を計上したことも純利益を押し上げた。

  海外拠点の税前損益は、米州が400億円の黒字(前年同期は143億円の黒字)、欧州が150億円の黒字(同45億円の黒字)、アジア・オセアニアが92億円の黒字(同116億円の黒字)。合計では642億円の黒字(同304億円の黒字)だった。海外拠点の黒字回復は2四半期ぶりで、過去最高益となった。

  好決算を受け、自己資本利益率(ROE)は21%と前年同期(8.4%)から大幅に上昇した。野村HDは25年3月期にROE8-10%を目指している

神風吹いたが底力も

  北村巧財務統括責任者(CFO)は電話会見で、「市場の追い風に支えられた部分もあったが、昨年のビジネスプラットフォームの再構築を通じて基礎的な収益力が上がったという自助努力もあったと評価している」と総括。好決算の原動力となったグローバル・マーケッツについては、ボラティリティもそれなりにあった「金利ビジネスがこの4-6月は本当に強い数字だった」と振り返った。

  足元の状況については、営業部門はコロナ下の顧客サービスに適応しつつあることで「7月は第1四半期を上回るペースで進捗(しんちょく)している」とし、ホールセール部門は過去最高の収益を達成した第1四半期に比べると「さすがに減速しているが、フィクストインカム、エクイティともに悪くない数字」だとした。

  北村CFOはまた、1400億円のコスト削減計画について、7割強が進捗したと説明。コロナ後の市場環境の変化を見据え、好決算の中でも事業の見直しを続けていると述べた。ブルームバーグが報じた米投資銀行部門の人員削減については、報道は理解しているが詳細は控えるとコメントした。

  ブルームバーグ・インテリジェンスの田村晋一アナリストは、野村HDの4-6月期決算について「コロナ禍による相場の激変もあり、海外を中心に神風が吹いたもの」と述べ、「瞬間風速で持ち上がったホールセールより、むしろ支店の窓口休止などの制約がありながら前年同期比増収増益だった営業部門に底力を感じた」と指摘。

  また、2789億円の費用計上に関して「業績が上がった割にコントロールできているが、増えていることは確かだ」として、コスト削減は道半ばとの認識を示した。日本橋再開発に伴う本店の豊洲(東京・江東区)への移転を「一段の効率化のチャンス」とし、再開発後の日本橋のビルに取得する権利床をどう生かすかも含め、効率化をどう進めるのかに注目したいと述べた。

(専門家のコメントなど5、9、10段落を追加して更新します)
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