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大和証G、SDGsの10年計画を来春にも公表ー投資額など数値化検討

  • 「証券会社らしい分かりやすい内容に」、SDGs担当の田代副社長
  • 国内ESG関連債の発行は需要に追い付いてなかったが、今後伸びる

環境・社会・企業統治(ESG)関連市場への関心が高まるなか、大和証券グループ本社は国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)に即した10年間の行動計画「2030ビジョン」を来春をめどに公表する方針だ。SDGs推進にグループ一丸で取り組む姿勢を強く押し出す。

  4月に同社初のSDGs担当役員に就任した田代桂子副社長(56)は、ブルームバーグとのインタビューで「総花的なものでなく、証券会社らしい分かりやすいものにしたい」と述べた。重要業績評価指標(KPI)も掲げる予定で、例えばSDGs関連プロジェクトへの投資額や二酸化炭素(CO2)削減事業への貢献などの数値化を検討している。今年度も女性管理職比率などのKPIを設定している。

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大和証Gの田代副社長

  SDGsは15年に国連サミットで採択された国際目標で、「貧困をなくそう」「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」など17の大きな目標、それを細分化した169のターゲットなどの30年までの達成を目指す。大和証Gは08年に日本初のワクチン債を扱うなど、社会的責任投資の分野に早くから取り組んできた。

グローバルのESG債券発行残高の推移

出所:ブルームバーグ、単位は100億ドル

注:環境債、社会貢献債、サステナビリティー債の合計。2020年は27日時点。

  ブルームバーグのデータによると、グローバルのESG関連債の19年の発行残高は2719億ドル(約28兆7202億円)と5年で約20倍に増えた。うち、日本円債は1兆3791億円。田代氏はコロナ禍や頻発する豪雨災害など人々がSDGsについて考えるきっかけが増えているとし「今まで国内では需要に発行が追いつかなかったが、今後は伸びていくと思う」と期待を示した。

グローバルのESG債発行残高に占める日本円債の比率 

出所:ブルームバーグ

注:2020年は7月27日時点

  SDGsが必ずしも収益につながらないのではとの問いに対して、田代氏は「子供の貧困改善支援などもしているが、確かにそれ自体がビジネスに跳ね返るものではない。ただ、資本市場が格差を生んでいると言われる中、そこでビジネスをしているわれわれが解決に力を貸すのは意味のあることだ」と述べる。就職面接では学生からの関心も高まっているといい、手ごたえを感じている。

  とはいえ、大和証Gや日本にとっても課題は山積みだ。例えば、同社の取締役13人中女性は3人と比率は23%だが、田代氏は「30%でも少ない。5割にならないと」と指摘。ブルームバーグのデータによると、日本の上場企業の女性取締役比率は6.5%にとどまる。田代氏はこうした企業文化を「変えるべきだ。多様化する社会に追いつくためには、企業もそれを組織の中に取り込む必要がある」との見解を示した。

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