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新型コロナ第2波は現実、政治家は封鎖望まず-あくまで「最終手段」

  • 英首相は核抑止力に例え、「もちろんそれを使いたくはない」と発言
  • 感染長期化や失業が政治的反発招く緊張を生じさせるとフクヤマ氏

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、休業や航空機の運航停止、外出制限といった対応を取ることは、最初の経験として十分厳しいものだった。それをもう一度行う必要があるとの考えは、世界の指導者が検討さえ望まないことだ。

  イタリアからニュージーランドまで、ウイルスをいかにうまく抑制できているかに関わらず、感染拡大の新たな波が来る可能性が高く、ダメージを緩和する政策手段が限られていることを各国政府は認識しており、市町村や地域に限定した隔離で感染を十分抑止できることを願っている。

  ロックダウン(都市封鎖)に消極的だったジョンソン英首相は自身の感染で集中治療室での闘病を余儀なくされた。それでも再度のロックダウンという考えを嫌がる首相は、核抑止力に例えて「もちろんそれを使いたくはない」と述べた。フランスのカステックス首相も「経済的にも社会的にも存続できない」と一蹴した。

  一つのミスでウイルスの危険に再びさらされると警告するニュージーランドのアーダーン首相にとっても、全国規模の封鎖に戻ることは「最終手段」だろう。

Operations at Auckland Airport as New Zealand to Limit Returning Citizens

ニュージーランドのオークランド空港の国際線ターミナル(7月7日)

フォトグラファー:Brendon O’Hagan / Bloomberg

  世界経済が大恐慌以来最悪のリセッション(景気後退)に見舞われ、トランプ米大統領が再選を目指す11月の大統領選を控えて、有権者は不安な状態に置かれている。不安が怒りや不満に形を変える中で、あらゆる政治家が苦痛を増やす方向ではなく、緩和する方策を探っている。

  米国の政治学者で「歴史の終わり」の著者フランシス・フクヤマ氏は「集団的自己犠牲の英雄的行為を人々に一定期間命じることは可能だが、永遠にはできない。感染の長期化や深刻な失業、長引くリセッション、前例のない債務負担は、政治的反発につながる緊張を必然的に生じさせる。ただそれが誰に向けられるかは、まだはっきり分からない」と指摘した。

原題:
Second Virus Wave Is Real, But Lockdown Is Now Nuclear Option(抜粋)

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