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3メガ決算、4-6月期は進捗率高め予想-与信費用の計上後ずれ

更新日時
  • 企業の資金繰り支援で融資拡大、米金利低水準で外債評価益の計上も
  • 新型コロナ感染再拡大で通期利益見通しが弱くなる可能性も-専門家

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)など国内3メガ銀行の4-6月期決算は、通期予想に対して純利益が比較的高い進捗(しんちょく)率となる可能性がある。与信費用の発生が当初の見込みより低水準に抑えられていることなどが要因だ。

  新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が出される中で始まった今期(2021年3月期)は、MUFG、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)、みずほフィナンシャルグループの3社とも与信費用を積み増して保守的な利益予想を公表していた。しかし、日銀による中小企業支援の特別オペや銀行の融資条件緩和、手形の不渡り猶予などの支援策により、5月の倒産件数は56年ぶりの低水準だった。

  SBI証券の鮫島豊喜アナリストは、企業への資金手当てが早い段階で行われており、手元キャッシュが厚い法人顧客の破たんは当面多くないとみている。しかし、キャッシュが底を突く来年以降が問題だとして、与信費用の発生時期が「後ろにずれる」との見方を示した。

今期の与信費用は11年ぶり高水準に

出所:各社決算資料から

注:3月期、21年は各社予想ベース、Tは兆で単位は円

  資金利益も増加に転じているとみられる。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の安岡勇亮アナリストは22日付のリポートで、4-6月期は通期に対して高進捗率になると指摘。資金繰り支援融資の拡大で貸出残高の増加や米国の10年債利回りが低水準のため外債評価益が期待できることなどを挙げた。与信費用の発生は、7-9月期以降になるとみている。

  一方、先行きは楽観できない。3メガ銀は5月の通期業績計画公表時、新型コロナ影響による経営環境は4-6月期が底で、その後回復に向かうと想定していた。しかし、全国で感染者数は再び増加している。SBI証の鮫島氏は、終息時期が不透明なことで、期初の計画より利益見通しが弱くなる可能性もあると指摘する。

Social Distancing Measures Inside An MUFG Bank Ltd. Branch

都内にある三菱UFJ銀行の店舗で顧客対応に当たる行員。(5月29日)

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  フィッチ・レーティングス・ジャパンの西沢かおりアナリストは、21日付のリポートで、国内銀行は既に長引く低金利環境や熾烈な競争などでビジネスモデルの課題に直面しているとコメント。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)による資産内容の悪化は与信費用を押し上げ、メガ銀行の「収益性を改善する能力を妨げる」と述べた。海外の不良債権は国内より若干早いペースで増加し、20年度にはメガ銀行の不良債権全体の約25ー45%を占めると推定している。

  3メガ銀が5月に公表した今期の与信費用計画の合計は、前期比2倍の1兆1000億円。今期純利益を前期比43%減の4000億円と見込むSMFGは、29日に4-6月期の決算を公表予定。前期比29%減の3200億円を見込むみずほFGは31日、同4.1%増の5500億円予想のMUFGは8月4日にそれぞれ決算を開示する。 

(6段落目のアナリストコメントを追加します)
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