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客足遠のくハンバーガーや牛丼店-もたつくファストフード株価の行方

  • 既存店売上高を支えた高い客単価-背景に家族のにぎわい
  • 宅配や持ち帰り、ドライブスルーの拡大がカギ
Exteriors of McDonald's Japan Restaurant As The Company Announces Full Year Earnings
Photographer: Kentaro Takahashi/Bloomberg
Exteriors of McDonald's Japan Restaurant As The Company Announces Full Year Earnings
Photographer: Kentaro Takahashi/Bloomberg

ハンバーガーや牛丼などファストフード産業の株高が一服している。新型コロナウイルスの感染対策に追われる中でも既存店売上高が底堅く推移したのを好感した買いが入っていたが、見直す動きは一巡した。感染第2波が迫り、不透明感が強まっている。

  6月の既存店の売上高がしぼんだ。日本マクドナルドホールディングスは前年同月比3.2%の減収。3カ月ぶりにマイナスになった。牛丼のゼンショーホールディングスや吉野家ホールディングスも減収が続いた。みずほ証券アナリストの朝枝英也氏は株高一服について、月次の売上高が期待を下回ったことが原因だと話す。

既存店売上高

  ウイルス感染の対策で来店客が落ち込んだ影響が大きい。マクドHDでは、ソーシャルディスタンスを確保できるように店内の客席を削減した。5月下旬に緊急事態宣言が全国で解除になり、人々が以前の日常に戻りつつある中で、ファストフード各社は戻らない客足に手を焼いた。

既存店客数

  一方、ハンバーガー・チェーンを中心に既存店売上高を支えたのが客単価だ。各社とも概ね高水準を保ち、来店客数の急減を補う構図になっていた。

  ただ、これにはからくりがある。

  マクドHD・コミュニケーションアンドCR本部広報部の一瀬竜彦氏は「会社に行く前にコーヒーを1杯買う人や200円ほどのバリューセットを購入する人がテレワークの普及で減った」と話す。ビジネス客が減った分だけ、購入単価の高い家族客の割合が増えただけというわけだ。

既存店客単価

  8月に入れば、各社が7月の月次データや四半期業績を開示する。株価の持ち直すきっかけになるか。店内で提供する飲食サービス以外が焦点になりそうだ。

  郊外にある店舗ではドライブスルーや持ち帰りなどが売り上げを支えている。都市部では宅配が伸びている。緊急事態宣言の期間だった4月から5月に売り上げが伸びた主な理由になった。マクドHDの一瀬氏は、家族分のランチをドライブスルーで購入するケースが目立ったと話す。子供の休校措置が相次いだことも増収につながった。

  みずほ証券の朝枝氏はマクドHDの売上高は会社の通期計画を上回るペースで推移し、「外食産業の中でも強いという見方は変わらない」と評価する。

  もっとも新型コロナの感染が広がり第2波への懸念が高まる前に、外食産業は打開策を出しあぐねている。ゼンショーHD広報部の森みず葵氏は今後の対応について「テークアウトの強化やバリューある商品を提供していく」と話すが、具体的にはまだ検討している段階だという。マクドHDの一瀬氏は客数回復への対策について「具体的にはまだない」と述べた。

  梅雨が明ければ夏休みムードが高まるが、今年は学校の夏休み短縮やウイルス感染増で、店内飲食から宅配などに回帰する動きが出ている。朝枝氏は消費者の控えめな動きは前年と比べるとネガティブで、「慎重に見ていく」と話す。ファストフード産業がコロナ禍を切り抜けるには、購入単価の高い顧客層を引き止める戦略がカギになる。

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