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世界と対立する強権中国-習総書記、2022年の共産党大会見据え始動

  • 習氏による終身統治への党幹部の支持、国民感情も影響を及ぼす
  • 「舞台裏では一部で本格的な抵抗がありそうだ」-シャーク教授

米大統領選挙まで4カ月を切り、トランプ米大統領は中国に対する強硬な政策を再選に向けた切り札としている。

  中国では共産党最高指導部の人事や重点政策が決定される5年に一度の党大会が2022年に開かれるのを見据え、習近平総書記(国家主席)が準備を進める。14億人に上る中国国民に投票権はないが、憲法を改正してまで国家主席の任期制限を撤廃した習氏による終身統治に党幹部の支持がどれだけ集まるかには、国民感情も影響を及ぼす。

  南シナ海における強引な領有権主張や軍備増強に向けた巨額支出、香港の統制強化など、習氏は強い指導者としてのイメージを強く打ち出す。これがナショナリズムを刺激し、自らの支持を押し上げたが、世界の他地域との衝突が避けられない路線を中国が進むことにもなっている。

  米中覇権争いに関する著書もあるローリー・メドカルフ・オーストラリア国立大学(ANU)教授は、中国が「おおよそ生み出したのは国内の統治を共産党が維持するため対外的に強い姿勢を取らざるを得ないという力学だ。従って、利益や価値観、対応の難しい問題で他国と衝突するある種の衝動のようなものがある」と指摘。習氏は「中国の制度をほとんど整理し直したかのようで、長期的に中国の利益を大きく損なうことは明白だ。実際、われわれ全てにとって極めて有害だ」と語った。

  

TOPSHOT-CHINA-POLITICS

全国人民代表大会(全人代)閉幕に臨む習近平国家主席

写真家:Getty Images経由のGreg Baker / AFP

  習氏は人民解放軍予備役を中央政府と中央軍事委員会の直轄とするよう制度を変更。7月に入ると治安組織内の反対派排除に動いた。警察と検察、裁判所を統括する共産党中央政法委員会は、司法制度から国内の司法制度から「徹底的に腫瘍を取り除く」とするキャンペーンを発表。がん患者の外科手術を引き合いにし、司法制度を「教育整頓」するというこの運動は、習氏の党総書記2期目が終わる22年まで続く見通しだ。党幹部は75年余り前に毛沢東・初代国家主席が権力を固めた政治粛清になぞらえる。

  22年の党大会で「習氏が権力を維持しようとする取り組みは確実に始まっている」と米カリフォルニア大学サンディエゴ校21世紀中国センターのスーザン・シャーク教授は述べ、「舞台裏では一部で本格的な抵抗がありそうだ。22年は非常に興味深い。すんなり運ぶとは思わない」との見方を示す。

  現在67歳の習氏が22年の党大会で総書記にとどまれば、長く保たれてきた中国の権力移譲プロセスが覆されることになる。

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原題:Xi’s Own Campaign to Stay in Power Pits China Against the World(抜粋)

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