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3共済年金、GPIF追随の外債買い増しに金利低下が逆風

  • 3共済は新たな目標値に合わせるため、外債保有を増やす必要
  • 海外金利の低下で、今は望ましいタイミングではない-ニッセイAM

公務員らが加入する共済年金は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と歩調を合わせた運用目標の変更に伴って外国債券を約6割増やす余地が生じているが、新型コロナウイルスによる世界的な金利低下が逆風となりそうだ。

  国家公務員共済組合連合会(KKR)と地方公務員共済組合連合会(地共連)、日本私立学校振興・共済事業団の公表資料に基づくブルームバーグの試算によれば、同3共済の運用資産は3月末時点で合計約19兆4100億円。外債保有額は約3兆400億円で全体の15%程度だった。

  外債の保有比率の目標値は25%と、今年度から10ポイント引き上げている。内外株式・債券の構成比の目標値などはGPIFの資産配分と同様にするためだ。運用資産額が前年度末から変わらないと仮定すると、外債の保有目標額は約60%増にあたる1兆8100億円を積み増す必要がある。しかも、足元までの内外株価の持ち直しを受け、3共済の保有する資産に占める外債の割合は相対的に縮小している可能性がある。

  ニッセイアセットマネジメント債券運用部の三浦英一郎リードポートフォリオマネジャーは、海外金利が低下しているため、外債の「魅力は下がっているという見方ができる」と指摘。新たな目標値に合わせるための買い増しは海外金利が上がるなど投資妙味が増したタイミングをみて動くのではないかとみている。

  一方、国内債は3月末の保有額が全体の35%程度にあたる約6兆9600億円。新たな目標値は10ポイント低い25%なので、約2兆1100億円減らす必要がある。国内株式は3月末より10%強、外国株式は9%弱増やす余地がある計算だ。足元では新型コロナウイルス懸念を受けた春先のリスク性資産価格の急落から持ち直しつつあるため、外債の構成比は一段と低下している公算が大きい。

GPIFと3共済の新たな目標値と3月末時点の資産構成比

国内債国内株外債ヘッジ外債外株短期資産
新目標値25%25%25%国内債に算入25%国内債に算入
GPIF23.87%22.87%22.22%1.20%23.90%5.95%
KKR38.32%22.33%12.09%22.24%5.01%
地共連35.5%22.7%17.7%23.8%0.3%
私学共済30.5%22.8%16.5%21.6%8.6%

  もっとも、3共済は目標値からの乖離(かいり)許容幅をGPIFより広く設定しており、国内債の売却や外債購入には時間的な余裕がある。地共連の佐藤茂宗資金運用部長はインタビューで、新たな目標値へは「おおむね1年から1年半をめどに、為替・金利動向を見極めながら移行したい」と説明した。外債はまずパッシブ運用分を少しずつ増やし、アクティブファンドにも投資するなら戦略をある程度を整理してから時間をかけて積み増していきたいと述べた。

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