コンテンツにスキップする

株価上昇を喧伝のトランプ氏、メインストリートの実情とギャップ

  • 多くの米国民が失職し、株高イコール経済的成果の実績とならず
  • 経済運営巡る世論調査でもトランプ氏がバイデン氏に逆転を許す

米株式市場が好調な場合、それを喧伝(けんでん)する機会をトランプ大統領が見逃すことはほとんどない。

  トランプ氏は先週だけでも、ウィスコンシン州の支持者との電話会議や法執行に関するホワイトハウスでのイベント、フロリダ州ドラルの米南方軍本部訪問の際、FOXニュースとのインタビュー、支持者とのフェイスブック・ライブ集会で、このところの株高について発言した。

  11月の大統領選の民主党候補指名を確実にしているバイデン前副大統領についてトランプ氏は13日、「バイデン氏が当選すれば、経済は破壊される」と語った。

  しかし、失業者数が毎週増え続け、失業率が引き続き第2次世界大戦後のどのリセッション(景気後退)時の数値をも上回っている現状にあって、株価上昇は経済的成果の実績に等しいものとはならない。

  キニピアック大学が15日に公表した世論調査では、経済運営面でバイデン氏が優れているとの回答が50%、トランプ氏の方が優れているとの回答は45%となり、この分野でバイデン氏が初めて優位に立った。

  2008-09年の金融危機当時は、多くの労働者が確定拠出年金(401k)口座やその他の投資の大幅な目減りに見舞われ、その一部は退職の時期を何年も先延ばしすることを余儀なくされたが、今回はもっと多くの労働者が実際に失職する事態に陥っている。  

  中小企業を支持する団体「ジョブ・クリエーターズ・ネットワーク」の代表を務めるアルフレッド・オーティス氏は「米国のメインストリートと話せば、ウォール街とはだいぶ異なる様相が見えてくると思われる」と話した。

Stocks rebound, but damage to employment rolls remains

  米国の世帯で株式を直接保有するのは14%前後にすぎず、事業者が提供する年金制度に加入する民間部門労働者の割合は半数弱にとどまる。このため、ナスダック100指数が最高値を更新しても、S&P500種株価指数の年初来総リターンがプラスを回復しても、多くの人々はほとんど恩恵を感じることができない。

  まだ外出を控える世帯が大勢を占める中で、小売業者の既存店売上高や飲食店の予約はいずれも新型コロナウイルス感染拡大前の水準を大きく下回ったままだ。

  ロイター通信が報じた最近の世論調査では、共和党支持者の47%を含む国民の3分の2が米国が悪い方向にあると回答しているが、それにはこのような状況が背景にありそうだ。

  トランプ氏は17日にホワイトハウスで収録されたFOXニュースとのインタビューで、「経済は素晴らしく拡大、成長していると考えられる。われわれは誰も可能とは思わなかった水準に回復するだろう」と語った。 

  人々を良い気分にさせるこうしたセンチメントも、ウォール街以外に広がらなければ、大統領の再選キャンペーンにプラスの効果をもたらすことはないだろう。

原題:Trump’s Wrong-Track Economy Means Voters Shrug at Stocks Rebound(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE