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マイナスの実質金利は米経済成長への警鐘、今後の厳しい環境示唆

  • TIPSでみた米10年債実質金利、6週連続で低下
  • 23日の10年物TIPSの入札、投資家のインフレ期待の試金石に

世界最大の債券市場の運勢占いは、米国株式市場が示唆する先行きよりもはるかに不吉だ。

  米株価指数は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で付けた今年の安値をはるかに上回っているが、米国債市場は景気回復ペースへの疑念を一段と鮮明にしている。感染者数増加で経済を再開させる計画が多くの州で減速しているからだ。米10年債の実質金利は過去6週間低下し、マイナス0.85%前後で推移している。

  米国債市場は、新型コロナ感染の再拡大や米金融当局による追加緩和期待に基づいた道のりを進んでいる。ユーリゾンSLJキャピタルのスティーブン・ジェン氏によると、こうした中で10年物のインフレ連動債(TIPS)の利回りで見た実質金利は数年先には潜在的にマイナス2%に低下する方向にあるという。

  PGIMフィクストインカムでマルチセクター戦略責任者を務めるグレッグ・ピーターズ氏は「実質金利の低下は、今後の厳しい経済成長環境を物語っている」 と述べ、 「債券市場が伝えているのは、成長がかなり長期にわたって標準以下になることだ」と指摘した。

  今週は23日に10年物TIPS140億ドル(約1兆5000億円)の入札が予定され、インフレの上昇軌道に関する投資家の強気度合いを測る試金石となりそうだ。米金融当局者は今月28、29両日の連邦公開市場委員会(FOMC)を前に公式発言を控えるブラックアウト期間にあるため、金融政策に関する新たな見解は出てこない。トレーダーは最新の失業保険申請件数や7月の製造業に関する初の指標に注目しそうだ。

Inflation-adjusted yields slide on downbeat long-term growth outlook

原題:Negative Real Yields Wave Red Flag on Growth That Stocks Ignore (抜粋)

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