コンテンツにスキップする

野村HDがフィー重視本格化、調査機能集約で提案力勝負ー新組織発足

  • 機関投資家並みの高度な運用アドバイスを個人向けにも提供へ
  • 新社長肝いりプロジェクト「コンテンツ・カンパニー」が始動

4月に就任した野村ホールディングス(HD)の奥田健太郎新社長肝いりプロジェクトの一つとして立ち上げた「コンテンツ・カンパニー」が始動した。個人顧客の預かり資産残高に応じて一定の報酬を受け取る仕組み(レベルフィー)を2年以内に全支店で展開することを目指し、まずは調査機能を集約し提案力を強化する。

  「顧客が欲しい時に、欲しい情報を、欲しい形で提供できるようにする。ある意味、社員全員がコンテンツ・カンパニーのメンバーです」。今月1日に発足したばかりの新組織を率いるのが執行役員の鳥海智絵コンテンツ・カンパニー長。奥田社長にとって初の公の場となった5月の投資家説明会で、その構想が明らかになっていた。

  新組織はグループ内に散らばる産業や株式、非上場企業などの調査分析、政策提言や海外との比較研究などの調査機能を集約。機関投資家や個人投資家、事業会社など顧客それぞれに適切な情報が届くように供給体制を見直す。紙ベースだったものはデジタル化での提供も可能にする。

Nomura Holdngs Chie Toriumi

野村HDの鳥海執行役員

Source: Nomura Holdings Inc.

  鳥海氏はブルームバーグとのインタビューで、顧客が経営者なら基本的に本業に注力しているにもかかわらず、ややもすれば運用関連のサービスの提供に偏りがちだったと指摘した。

  単に個人や機関投資家などの顧客属性に応じた投資リポートを配布するのではなく、例えば法人に産業リポートを提供することでマッチングや技術開発の手掛かりにしてもらったり、未上場企業の調査リポートを提携先を探している上場企業に提供したりするなど知見の新たな活用を強化していく。

個人向けに高度運用アドバイス

  リテール部門では、コンテンツ・カンパニー傘下として機関投資家と同等のより高度な運用アドバイス提供を目指すチーフ・インベストメント・オフィス(CIO)グループを立ち上げた。調査機能の集約で高めた提案力を武器に、特定商品だけでなく、顧客のポートフォリオ全体への個別の助言を行う。CIOサービスを選択した顧客に対しては、基本的に預かり資産残高に応じた報酬体系を導入する方針。

  過去の回転売買に対する批判をきっかけに、対面証券各社は売買手数料(コミッション)からフィービジネス中心の収益構造への転換を進めている。CIOサービスついて、野村証券は2021年4月に一部機能の提供を開始。レベルフィーサービスを全店展開するためのシステム整備が必要なため、本格展開は22年4月を予定する。

  鳥海氏によると、まずは富裕層向けに案内し、了解が取れた顧客は順次移動してもらう。手数料率は残高の1%前後が主流とされる欧米金融機関も参考に今後詰める。野村HDの20年3月末のリテール部門の預かり資産残高は104兆円。うち、レベルフィーを導入済みの残高は2.4%(2兆5000億円)にとどまる。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE