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米金融当局の米国債大量購入はまだ序の口-市場は量的緩和強化にらむ

  • 早ければ7月のFOMCで追加策の扉開かれる可能性
  • コロナ感染急増で曇る米経済見通し、政策シフトの必要性に理事言及

米連邦準備制度理事会(FRB)は米国債市場の機能修復のためだけに大量の米国債を買い入れてきたが、米経済を回復させるためにはさらに多く購入する必要があるかもしれない。

  新型コロナウイルス感染の急増は米経済見通しを曇らせており、それがFRBに追加策を求める圧力になる公算が大きく、早ければ今月の連邦公開市場委員会(FOMC)にもその機会が訪れるかもしれない。ブレイナードFRB理事も14日、当局はより長期的な緩和策を提示する方向に政策をシフトすべきだと述べ、そうした可能性をほのめかした。

  ウォール街のストラテジストとFRB当局者らは、政府が一段の財政刺激策で米国債を大量供給する中、今後の焦点は景気回復の維持と長期金利の抑制だと述べている。FRBも緊急融資ファシリティーで地方債や社債などを幅広く支援し、利回りを抑えているが、こうしたプログラムは一時的措置だ。

  FRBの元金融政策局長で現在はエール大学経営大学院教授のウィリアム・イングリッシュ氏は、タームプレミアムを低下させ長期の借り入れコストを低減させるため「当局は今後数回の会合で、市場を正常に機能させることを意図したとする資産購入から、より伝統的な大規模資産購入への移行を協議しなければならない転換期にある」と指摘した。

Fed's presence in the Treasury market is expected to grow

  米金融当局が量的緩和(QE)を強化し、長期債購入を増やす可能性をトレーダーが警戒している兆候は、米国債のイールドカーブがここ数週間フラット化していることにも表れている。5年債と30年債の利回り格差は100ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)強と、先月付けた今年最高の129bpから縮小した。

  7月28、29両日のFOMCに臨む米金融当局者が直面する問題は、このシフトを短期金利に関するガイダンス変更と組み合わせて行うかどうかだ。また、1年余り続けてきた当局の戦略見直しの結論が求められるかどうかの問題もある。

  6月のFOMC議事要旨には当局が枠組み見直しを「近いうちに」完了させたい意向が記されているが、政策調査会社LHマイヤーのエコノミスト、デレク・タン氏は「当局が枠組み見直しのスケジュールやフォワードガイダンスに縛られているとは感じていないと思う。米国債購入の新たな年限構成を発表する方針だと7月に言うことは容易だろう」と述べた。

  FRBは既に4兆2000億ドル(約450兆円)相当の米国債を保有しており、これは発行残高の約22%に上る。3月に政策金利をほぼゼロに引き下げて以来、当局が市場機能の改善を目指して買い入れた米国債は約1兆7000億ドルに達しており、月間約800億ドル相当をなお購入している。これは世界の借り入れコストの指標となる米10年債利回りがわずか約0.60%にとどまり、株価上昇の下でも4月以来ほとんど動いていない理由の1つだ。

  市場機能は3月に極度のストレスに見舞われた後、著しく改善したが、FRB当局者らは新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の行方に不確実性があるため、将来の衝撃に備えて債券購入を維持するのが賢明との見解を示している。

Spreads narrow as traders hedge risk of more Fed action

原題:
Traders Bet the Fed’s Bond-Buying Binge Has Just Begun (1)(抜粋)

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