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日銀会合注目点:ウィズコロナの経済・物価シナリオで政策展開探る

  • 金融政策は維持の公算大、コロナ対応策の効果を注視する局面
  • 経済・物価見通しに大きな変化なし、展望リポートの説明にも関心
黒田総裁

黒田総裁

Photographer: Yuya Yamamoto/Jiji Press
黒田総裁
Photographer: Yuya Yamamoto/Jiji Press

日本銀行は15日の金融政策決定会合後に金融政策を発表する。現行の金融緩和策を維持する公算が大きく、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を中心とした新たな経済・物価見通しが注目される。黒田東彦総裁の記者会見と合わせ、市場はウィズコロナの日銀の経済・物価シナリオとそれを踏まえた先行きの金融政策運営の手掛かりを探ることになりそうだ。

  金融政策は、新型コロナの影響に対応するために、これまで相次いで打ち出してきた資金繰り支援策や市場安定化策の効果を見極める局面に入っている。ブルームバーグが3-7日に実施した調査では、エコノミストら46人のうち9割超が金融政策を維持すると予想している。

  会合では、新興国を中心とした世界的な感染拡大の継続、緊急事態宣言の解除を受けた経済活動の段階的な再開、感染第2波への根強い警戒感などを踏まえた、ウィズコロナの環境における新たな「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」が議論される。先行き不透明感が強い中での経済・物価シナリオの説明にも注目が集まる。

  日本経済は、コロナの影響で急激に落ち込んだものの、経済活動が徐々に再開されている。事情に詳しい関係者によると、日銀は4-6月期をボトムに年後半にかけて持ち直しに向かうとのシナリオを維持する可能性が大きい。

日銀の追加緩和予想が急低下

出所:ブルームバーグ

  前回4月の展望リポートでは、実質経済成長率が2020年度にマイナス5.0%-マイナス3.0%と大幅なマイナス成長に落ち込んだ後、21年度以降はプラス成長に復帰していく姿を示した。関係者によると、想定よりも海外経済が下振れていることなどを反映し、20年度の成長率が下方修正される可能性があるが、物価を含めて見通し自体に大きな変化はない見込みだ。

ブルームバーグ・エコノミクス アジア・エコノミスト・チーム
「新型コロナ感染の第2波や金融市場への大きな衝撃を防ぐため、日銀は当面の間、金融政策を据え置くだろう」
リポート全文をご覧になるにはこちらをクリック

  もっとも、9日の日銀支店長会議で各地の支店長が指摘したように、先行きはコロナの影響で抑制的な経済活動を強いられることもあり、「しばらくは、下押し圧力が大きい状況が続くと思う」(山田泰弘理事・大阪支店長)との見方が多い。先行きの経済・物価は下振れリスクが大きいとの見方も変わらない。

  JPモルガン証券の鵜飼博史チーフエコノミストは会合での議論について「フェーズを流動性・資金繰り・市場機能から、企業の支払い能力と信用コスト、そしてマクロ的に景気の回復のテンポと物価がデフレに陥るリスクへと移していく」とみている。黒田総裁の会見では、新たな経済・物価シナリオを踏まえた政策議論の内容にも関心が集まりそうだ。

  会合には、布野幸利前審議委員の後任で、今月1日に就任した元日立製作所副社長の中村豊明審議委員が初めて出席する。

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