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上昇気流乗るソフトバンクG株、業績と需給が好循環-信用買い戻しも

ソフトバンクグループ株が上昇気流に乗っている。中国のアリババ・グループ・ホールディングが最高値を付けるなど投資先企業の価値が回復しているためだ。残高が高水準に膨らんだ信用売りの買い戻しも入り、業績と需給の両面で好循環に入っている。

SoftBank Reveals $6.5 Billion Loss From Uber, WeWork Turmoil

ソフトバンクGの孫正義社長

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  10日の日本株市場で株価は一時6478円と続伸し、ITバブル崩壊直前の2000年3月以来、20年ぶりの高値を再度更新した。

  アリババの米預託証券(ADR)価格は9日、連日で上場来高値を付けた。ソフトバンクGが前期(20年3月期)決算で、過去最大の最終赤字を計上する要因となったビジョン・ファンドの投資先価値も回復傾向にあり、米配車サービスのウーバー・テクノロジーズ株は3月末時点から約2割上げた。

  アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャーは、「投資先の価値が悪化するだろうとソフトバンクGにリスクを感じていた人は、すぐには改善しないと思い、自社株買いの計画があっても売りをぶつけていた」と指摘。最大投資先のアリババの上昇などから、「投資家は修正を迫られてくるだろう」とみている。

  出資先の米製薬ベンチャー、リレー・セラピューティクスが新規株式公開(IPO)の届け出を行ったほか、中国の不動産関連企業でもIPO報道があったことも好材料だ。一方、新型コロナウイルスの感染拡大が収束せず、世界経済の先行き透明感は強い。米中貿易摩擦がアリババ株に影響を及ぼすリスクもあり、今後ソフトバンクG株の上昇が止まる可能性もある。 

株価と信用売り残推移

  株価上昇は行き過ぎとみた投資家が空売りし、信用売り残(日証金ベース)が12年12月以来の高水準に膨らんでいたことも買い戻しを通じて直近の株高を後押しした。3日時点で443万株だった売り残は8日に298万株まで減り、この間株価は4%上げた。

  アイザワ証の三井氏は、「空売りしていた投資家の想定が外れた。今後は損失回避のため、買い戻しが入りやすい状況」と言い、ソフトバンクG株は「下がりにくく、順回転モードになっていくだろう」と予想する。

  総額2兆5000億円の自社株買い計画のうち、2兆円の取得余力が残っている点も株価のプラス材料だ。10日には、6月17-23日の5営業日で1017億円を買い入れたと発表。5月に設定した5000億円の取得枠に対する進捗(しんちょく)率は20.3%となっている。

  アナリストの間でも自社株買いや最大4兆5000億円の資産売却の進展で今後の業績や財務状況が改善するとの見方が広がっており、7月に入りシティグループ証券やSMBC日興証券が目標株価を引き上げた

  コムジェスト・アセットマネジメントのポートフォリオ・マネジャー、リチャード・ケイ氏は「株価はさらに2倍になり得る」とし、「企業価値と成長余力を株主が十分理解していると市場は認識し始めた」と話した。

3月以降の自社株買いの実施状況

出所:自己株券買付状況報告書

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