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EU、域内トレーダーに英国のデリバティブ決済継続を容認

  • 一時的な措置、金融他分野の合意には遠いと欧州委は強調
  • 英国側とは依然「著しい隔たり」-バルニエEU首席交渉官

欧州連合(EU)は、英国の完全離脱後も域内のトレーダーがロンドンのデリバティブ市場にアクセスすることを認めた。だが、金融業界の他の分野については英国側との合意確保は遠い状況だと警告した。

  EUの行政執行機関である欧州委員会は9日、域内のトレーダーが英国のクリアリングハウス(清算・決済機関)を利用し続けることを容認すると発表した。英国のクリアリングハウスは数兆ドル規模に上るデリバティブ決済で圧倒的な役割を果たしており、ロンドン証券取引所グループ(LSE)傘下の機関はドルとユーロ、ポンドのスワップ決済で世界最大手。

  欧州委のドムブロフスキス上級副委員長は発表文で、「今回の決定はデリバティブ決済の特定分野に関連した金融安定を脅かし得るリスクに対処するものだ」と説明。アクセスの許可は時限的な措置だとしつつ、具体的な期間には言及しなかった。

  EUは決済について、当面のクロスボーダーアクセスを容認する用意ができていた一分野だとしつつ、他の金融活動については「短期あるいは中期で」同様の措置をとる意図はないと強調した。

  欧州中央銀行(ECB)は、クリアリングハウスへの一時的なアクセスが認められたからと言って、銀行は英国の離脱移行期終了後への準備をやめるべきではないと呼び掛けた。メルシュECB理事は9日、ブログへの投稿で、一部の銀行はまだやるべきことが多く残っていると指摘。ユーロ圏への従業員移転はロックダウン(都市封鎖)措置や渡航制限が新たに導入された場合にのみ認められるとの認識を示した。

  一方、EUのバルニエ首席交渉官は、今週の英国側との交渉で双方に「著しい隔たり」が依然あることを確認したとし、「忍耐と敬意、決意を持って取り組みを続ける」とツイートした。

原題:
U.K. Gets Brexit Break After EU Opens Door on Derivatives (1)(抜粋)

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